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ミールが来て大きな事件は、軍手を飲んでしまったことだろう。 あの日は家族皆で軍手をはめて遊んでいた。 ひとしきり遊んだあと、犬同士で軍手を取り合って騒いでいたのでほって置いた。 ふと何かミールが変だった。 遊んでいた軍手の片割れがない。 でも考えられない大きさだった。普通のシェルティーなら絶対に飲み込めない大きさだ。 ミールは、特別大きいわけでもないShowサイズの犬なのに、飲める? でも不安がよぎる。 どうしてないの? どこにやったの? 聞いても誰も答えない。 ミールの口の中をあけて覗き込んだところで見えるはずもなく、 今でも何故あの時にたくさん犬がいたのにミールだと思ったのか解らないが・・・ 不安になるといても立ってもいられないのがわたしの性分だ。 それにもし呑んでいたら時間をおけばミールは死んでしまう。 あの大きな軍手が胃か腸に詰まるのは、そうは時間は掛からないだろう。 詰まればあの大きさのものだし、場所が悪ければ、内臓の詰まった部分が壊死してしまう可能性もある。 すぐにミールを車に乗せてかかりつけの先生のところに飛び込む。 『先生ミールが軍手を飲んじゃった!』と叫ぶ。 先生方は???状態だ。 ラブやゴールデンならいざ知らず、この小さなシェルティーが?と思うのは当然のことだろう。 片割れの軍手を乗せて、ミールと一緒にレントゲンを撮ってみる。 やっぱり写らない。 とにかく吐かせてみようと吐かせてもミールは苦しむだけで、何もでてきはしない。 先生が、『内視鏡で見て取れれば取ってみよう。飲み込めたのだからうまくやればでるかもしれない。 駄目なら腹切りだよ、覚悟してね。 でももう一度聞くけど本当に呑んだんだよね?呑んだところを見たの?』 という。 呑んだところは見てはいない。 でもミールの様子が変な気がするのだ。それだけで麻酔をかけて内視鏡まで使う必要があるのか? 決断力はあるつもりだ。その時に私は自分を信じていたのかもしれない。 絶対に呑んでいると・・・見て何もなかったなんてことは絶対にないと・・・ 答えは早くゴーサインが出ると早速先生は内視鏡でミールの胃の中を見た。 笑い声が起きる(不謹慎?) 『本当にのんでたよ〜!どうやらつかめたから何とか出せそうだよ!』 と嬉しそうな先生の声・・・ へたへたと座り込む私・・・ かくしてミールは危機一髪で難を逃れた。 先生のところに内視鏡がなかったらミールはおなかを切られ、痛い思いをし、回復に時間が掛かっただろう。 それでなくても体調が悪くなったりするのに・・・ 麻酔の切れ掛かったミールを抱きしめながら、泣きそうな私に、 『良く気がついたねぇ、普通は詰まってからおかしいって来るケースなのにネ。』 『ミールも良かったなぁ。痛い思いしなくて済んでさ。 しかしこの大きさを良く飲めたもんだ。のどは普通の犬よりも広いんだねぇ』 と声をかけてくれた。 後にミールののどを覗き込んで解ったが、扁桃腺らしきものも何もなくなっている。 声帯手術の時にとってしまったのだろうか。 今となっては何もわかる術はないし、その後何もないのだから良しとしよう。。。 かくしてミールは一命を取りとめ(少しオーバーだけど) その時に芽生えた彼の忠実な気持ちは今も私との間に生きている。 |