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★ vol.2 ★ シェルティーの軍手飲み込み事件!



ミールが来て大きな事件は、軍手を飲んでしまったことだろう。
あの日は家族皆で軍手をはめて遊んでいた。
ひとしきり遊んだあと、犬同士で軍手を取り合って騒いでいたのでほって置いた。
ふと何かミールが変だった。
遊んでいた軍手の片割れがない。

でも考えられない大きさだった。普通のシェルティーなら絶対に飲み込めない大きさだ。
ミールは、特別大きいわけでもないShowサイズの犬なのに、飲める?

でも不安がよぎる。
どうしてないの?
どこにやったの?
聞いても誰も答えない。

ミールの口の中をあけて覗き込んだところで見えるはずもなく、
今でも何故あの時にたくさん犬がいたのにミールだと思ったのか解らないが・・・

不安になるといても立ってもいられないのがわたしの性分だ。
それにもし呑んでいたら時間をおけばミールは死んでしまう。
あの大きな軍手が胃か腸に詰まるのは、そうは時間は掛からないだろう。
詰まればあの大きさのものだし、場所が悪ければ、内臓の詰まった部分が壊死してしまう可能性もある。
すぐにミールを車に乗せてかかりつけの先生のところに飛び込む。

『先生ミールが軍手を飲んじゃった!』と叫ぶ。
先生方は???状態だ。
ラブやゴールデンならいざ知らず、この小さなシェルティーが?と思うのは当然のことだろう。

片割れの軍手を乗せて、ミールと一緒にレントゲンを撮ってみる。
やっぱり写らない。

とにかく吐かせてみようと吐かせてもミールは苦しむだけで、何もでてきはしない。

先生が、『内視鏡で見て取れれば取ってみよう。飲み込めたのだからうまくやればでるかもしれない。
駄目なら腹切りだよ、覚悟してね。
でももう一度聞くけど本当に呑んだんだよね?呑んだところを見たの?』
という。
呑んだところは見てはいない。
でもミールの様子が変な気がするのだ。それだけで麻酔をかけて内視鏡まで使う必要があるのか?

決断力はあるつもりだ。その時に私は自分を信じていたのかもしれない。
絶対に呑んでいると・・・見て何もなかったなんてことは絶対にないと・・・

答えは早くゴーサインが出ると早速先生は内視鏡でミールの胃の中を見た。
笑い声が起きる(不謹慎?)
『本当にのんでたよ〜!どうやらつかめたから何とか出せそうだよ!』
と嬉しそうな先生の声・・・



へたへたと座り込む私・・・
かくしてミールは危機一髪で難を逃れた。
先生のところに内視鏡がなかったらミールはおなかを切られ、痛い思いをし、回復に時間が掛かっただろう。
それでなくても体調が悪くなったりするのに・・・

麻酔の切れ掛かったミールを抱きしめながら、泣きそうな私に、
『良く気がついたねぇ、普通は詰まってからおかしいって来るケースなのにネ。』
『ミールも良かったなぁ。痛い思いしなくて済んでさ。
しかしこの大きさを良く飲めたもんだ。のどは普通の犬よりも広いんだねぇ』
と声をかけてくれた。

後にミールののどを覗き込んで解ったが、扁桃腺らしきものも何もなくなっている。
声帯手術の時にとってしまったのだろうか。
今となっては何もわかる術はないし、その後何もないのだから良しとしよう。。。

かくしてミールは一命を取りとめ(少しオーバーだけど)
その時に芽生えた彼の忠実な気持ちは今も私との間に生きている。
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