MAGIC WORLD - RAINBOW BRIDGE
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HOME > 虹の橋トップ>愛ちゃんvol.1

私の不注意で亡くした子がいます。
あっという間に天国に駆け上って行きました。
何もしてあげることができないまま
大きな教訓を残して旅立った大切な愛ちゃんのお話です。



 愛ちゃん 1998年8月9日没 



愛ちゃんは今天国にいます。いつも私たちを,見ているのでしょう。
可愛かったあの頃、楽しかったあの日々・・・

ポメラニアンと出会って小型犬の魅力にはまりました。
初めて飼ったライトオレンジの愛ちゃんの賢さやしぐさの可愛さにもうめろめろでした。
彼女のすごいところは、私のことを「かっか」と呼ぶところでした。
ここはとおれないの・・・・かっか・・・・
抱っこして・・・かっか・・・・・
お水が無いよ・・・かっか・・・・
何でもかっかと呼んでくれました。
小さい音なので聞き逃しているとおおきな声で「キャン」と呼びます。
・・・・そんな愛ちゃんは今天国で神様に「かっか」といってるのでしょうか・・・

どうしてこんな悲しいことに・・・

今でも思い出すと涙が止まらなくなってしまいます。
愛ちゃんは、1歳と3ヶ月の短い生涯を、
私の腕の中で閉じました。

私のせいで、もっともっと長生きできたのに、死なせてしまったんです。
初めてのキャンプで、愛ちゃんは、それはもう喜んで「あたしも行くのね、ママ!」とおおはしゃぎでした。
途中休憩では、得意そうに子犬だったエリーの面倒を見たり、
シェルティー達の前をあたしについてらっしゃいとばかりに得意気に歩いて
みんなの笑いを誘っていました。

今でも、キャンプ場の近くの売店の前で飛び回って喜んでいた姿が目に焼きついて離れません・・・
日が昇るのを待て、私たちはテントを開くことにしました。
テントの中にひとまず犬たちをいれて、次はタープを張って・・・
仕事は目白押しでした。

静かに待っていた愛ちゃんとエリーはそのうち我慢も限界と、
得意の『かっか』と『キャンキャン』コールをはじめたので、
他の人に迷惑になると思い、先にサークルを作りました。

今にして思えば、このときに何故地面の隙間があることに気づかなかったのかと思います・・・

犬たちを全員サークルに出して、やれやれやっと他のことが出来る・・・と思ったのですが、
しばらく静かだった愛ちゃんが、『かっか、かっか』と鳴き始めました。

私はキッチンを作っていたので、『ちょっと待っててね・・・』と愛ちゃんのことを見ずに答えました。

しばらく『かっか、かっか』と鳴いていましたが、あきらめたのか静かになりました。

10分くらいでキッチンの設営も終わり、「愛ちゃんを抱っこしなくちゃ、又怒るわ。」と思って、
振り返ると、愛ちゃんがうんちの格好をしていました。
敷物の上では絶対に粗相をしないコなのに、うんちが出そうだったので呼んでたのかと、
『愛ちゃん、ごめんね、お外でしようね・・』
と抱き上げると、何かが変でした。


ふと脇を見ると、小さなきのこが吐き出してあり、一目で愛ちゃんが食べたのだとわかりました。
可愛くて甘やかして育てていたので、人間の食べる物を良く食べていたせいか、
きのこは食べられる物だと思って、私に食べてもいいかとさっき『かっか、かっか』と呼んでいたのでしょう。

何度呼んでも来ない私に、きっと『食べちゃおう!』と思って食べたのだと思います。

抱き上げて歯茎の色を見ると、もう真っ白で、心なしか体も冷たく、
呼びかけても反応がとても鈍いのです。


ショックだとすぐにわかりましたが、獣医さんも近くにあるかどうかも判らない土地です。
まして、朝の7時でした・・・必死になって主人を呼び、車に飛び乗りました。

ジャンパーに愛ちゃんをくるみ、体をこすりながら呼びかけ、
肩にはさんだ携帯で、とにかく一番近い獣医さんへ連絡をとろうと必死でした。
このときほど、自分が獣医だったらと思ったことはありませんでした。

ショック止めの注射を打っていたら、助かった可能性がとても高かったからです。

きのこの毒性については治療する必要があったとは思いますが、
とにかくショックを止めなければ、体の小さい愛ちゃんの心臓が持たないことは、火を見るより明らかでした。


いつもの軽快な鼓動はひどくゆっくりと気が遠くなるようにゆっくりと打っていました。
主人はこんなに速く走れるのかと思うほど車を飛ばし、『頑張れ!』とその言葉だけを叫んでいました。


あの長くくねった坂を駆け下りる途中、
愛ちゃんは大きく息を吸い込むと、私と主人の泣き声を聞きながら、天国への道を駆け上っていきました。



私は一瞬狂ったように泣き叫んでいましたが、主人に人工呼吸しろといわれたような気がして、
必死になって、心臓マッサージと人工呼吸をしつづけました。

愛ちゃんの心臓の鼓動が止まったのが、7時40分でした。
やっとの思いでたどり着いた獣医さんは、8時半に見つかったのです。

時間外で、早朝7時ごろからたたき起こしたのにもかかわらず、
親切な獣医さんで、もうどうやっても助からない愛ちゃんを、『助けてください!!』と泣きじゃくる私に、
丁寧に見てくださり、『このコはきっと苦しまずに、眠る様に亡くなったようですよ。』といってくださいました。

有毒なきのこを食べてその毒による中毒と言うよりも、瞬間的な痛みによるアナフィラキシーショックで、
循環器不全を起こしてしまったので、気が遠くなるようにして、天国に行ったんですよと言われました。

もう少し体が大きければ、助かったかもしれません・・・
それよりも、私があの場所に、サークルを作らなかったら・・
ちゃんと地面が出ていないようにしていれば・・・・
『かっか、かっか』と呼んでいたときに、何を置いても言って聞いてあげていればこんなことにはならなかった・・・



もうどんなに後悔しても、愛ちゃんは私の手の届かない所に逝ってしまったんです。



獣医さんの場所もきちんと把握しないで、まして何かあったときに、
対処も出来ないなんて、こんなに自分が情けなかったことは有りませんでした。

1つだけ救いがあったと言えば、
誰も気づかない所で、寂しく死んでいったのではなかった事です。
大好きなママの腕の中にいることは判っていたようでしたから
それだけが最後に愛ちゃんにしてあげられた唯一喜んでくれただろうと思えることです。
いつも愛ちゃんは私のことだけを見ていて、
家族の誰よりも私のことが好きなコでした。

私に抱かれていればいつもご満悦で、
何かの用事で主人に抱かせたりすると、
私の姿が見えなくなるまで大暴れをして、悲しげに鳴きつづけるコでした。

主人は、『愛ちゃんはずっとママに抱っこしているんだから、幸せな顔しているよ。』と慰めてくれましたが、
抱いている愛ちゃんはどんどん冷たくなっていくのです・・・
さっきまで、みんなと楽しく騒いでいた愛ちゃんが、
今抱いているのに、私の腕の中に体はあるのに、もうここにいないのです・・・

獣医さんから出てからの記憶がほとんどありません。

覚えているのは、キャンプ場に戻って、子供たちと犬たちに、
愛ちゃんを合わせたときに、ダッシュだけが涙を流して愛ちゃんの顔をなめたことと、
愛ちゃんが死んでしまったとき以外に泣かなかった主人が、
綺麗に飾られた箱の中の愛ちゃんとお別れするときに、ボロボロと男泣きしていた顔・・・
上の息子が、ぼそりと、『俺、獣医になるよ・・・』
と小さな声で、愛ちゃんに言ってた泣き顔・・・
下の息子の、声を出さないように、泣いてた顔
そんなみんなの泣き顔ばかりと、やけに綺麗だった霊園の風景・・・・・


小さな骨になってしまった愛ちゃん・・・
2枚歯だった犬歯が綺麗にそのまま残り、何故か今でも妙に記憶に鮮明に残っています・・・
キャンプ場では毎朝7時になると、ボーイスカウトの朝の集合が始まります。

それを見ているうちに、涙が止まらなくなる私は、もう此処にいたくないと言って、
テントをたたんで貰いながら、
他の場所に行ったら愛ちゃんが迷ってしまうから此処にいると言ったり、
パニック状態だったようです。

帰り道のあの坂道の途中、主人が子供たちに、
『お父さんとお母さんは、この坂を降りるたびに、愛ちゃんの死んだときのことを思い出すんだよ』
とぽそりといいました。
スローモーションのように何故かあの坂道の何処だったかを明確に覚えているのが不思議です。

あれから、2年になります・・・

あれから私だけは、まだあの場所に行っていません。
子犬が生まれているからといって、言い訳がましくお留守番だわと言っていますが、
本当は怖いのです。逃げているのです。

私だけを頼っていた小さなポメラニアンの愛ちゃん一匹の命も守れないくせに、
たくさんの犬たちを連れて、10日近くの間頑張れるのかが不安なのです。

今、愛ちゃんがいなくなってから、新しくポメラニアンの蘭ちゃんとノンちゃんを家族に迎え、
この子達も、もう亡くなった愛ちゃんと同じ年になりました。

今年は、あんなに愛ちゃんが喜んだ自然の中にみんなも連れて行ってあげたいという気もします。
でも、最善の注意を払って何とかいくことができるのでしょうか?
それよりもまず、愛ちゃんと良く行った公園から始めなくてはいけないかもしれません。
意気地なしの私は、あえて愛ちゃんといった思い出の場所までもずっと避けているのですから・・・
もうそこまで春がきています。
愛ちゃんを連れて桜の花を見に行った川沿いまで・・・
シェルティー達と一緒に遊んだあの公園に・・・
主人と、子供たちと一緒に、
蘭ちゃんとノンちゃんを連れて行くことが出来たとき、私の愛ちゃんに対する喪が明けるのかもしれません。
たくさんの思い出の詰まったあの場所へ・・・




ここまで、読んでくださった皆さん本当に有難うございます・・・

実は、このページを作り上げるのに一ヶ月以上もかかってしまいました。
一行書いては大泣きして、動揺して、必死で思い出して、でもまた書けなくなるという事の繰り返しでした。
愛ちゃんとのこの突然の別れは、私達家族にとってとても絶えがたいことでした。
今いるどの犬ともそれぞれの想い出があるのですが、
愛ちゃんは私だけを、私だけを全身全霊で愛してくれた初めての犬で、
ましてそれに気づいていなかった自分が情けなく悲しいのです。

もっと愛してあげられたのではなかったかという想いが今でも残っています・・・
お互いおばあちゃんになっても、一緒に日向ぼっこしようねと言って、
抱っこしたあのふわふわの毛の感触は、今いるどのコとも違うのです。

同じ犬種の犬を飼っても、性格も、しぐさも、吠え方も、毛の感触すら全く違います。
愛ちゃんは愛ちゃんであり、他のどのコも代わりにはならないのだと言うことをいまさらながらに痛感しています。

愛ちゃんの悲しい経験をいつも胸に於いて、この先に私たちの家族として関わって行く多くの犬たちに、
決して後悔しないようにたくさんの愛情を注ぎ、きちんとした躾と管理をしていきたいと思っています。
みんなを幸せにしていくことが、私にできる愛ちゃんへの唯一のお返しのような気がするからです。
あんなに素晴らしいコに、また巡り会うことができるのでしょうか?

いつかひょっこり愛ちゃんが、姿を変えて帰ってくるかもしれません・・・
その時はきっとすんなり愛という名前を付けて呼ぶことができるのかもしれません・・・
もう少し自分の気持ちが整理できたら、
愛ちゃんというポメラニアンがどんなに可愛く、賢かったかを書いていきたいと思っています。
もう少し時間がかかりそうですが・・・

 もし大事な愛犬に先立たれて、
悲しくてしかたがなかったら是非ここへ行ってみてください。





虹の橋への扉です。此処へ行って少し元気が出ました。
愛ちゃんは虹の橋の袂で待っていてくれるでしょうか・・・
待ちきれなくて生まれ変わってくる事を待っている弱虫の私がいます。

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