キーストン彼の話は優駿の門というコミックのアルフィーとして実在する話だ。
競走馬、特にサラブレッドは人の誘導なしには動けないといわれるほど繊細な生き物で、骨折などしたらその激痛を我慢することなどできるはずもない。キーストンはレース中ゴール手前300メーターで骨折し、騎手は投げ出され落馬する。
競馬が心から楽しめないのは万が一に起こるこの類の事故をたまたまレース観戦中に目の当たりにした時からだった。大好きで応援していたテンポイント・ライスシャワー・サイレンススズカがこの世にいないのはどれもレース中の事故で、予後不良とされた。テンポイントのときは自分はまだ子供だった。ライスシャワーの時はショックでしばらくレースが見れなかった。ようやく気分が落ち着いてみられるようになったらサイレンススズカだった。
彼らが獣医学が発達した今でさえすぐに安楽死される現実は走らない馬が処分されていることと相応しているのかもしれない。サラブレッドは経済動物だから。
そんな非情な事故に見舞われたキーストンという馬は激痛をこらえて騎手を気遣ったという逸話の持ち主である。痛みに耐えられるはずのないサラブレッドが落ちた騎手を気遣う・・・。そのきずなの深さはコミックの中でさえ涙が流れ落ちる感動を呼び起こすのに、実話なのだ。
生き物と暮すということに持つべき気持ちの原点は彼らが自分たちと同じ生き物であるという認識を持つことで始まるのだと思っている。解明・証明されていないだけできっと彼らには自分たちと同じような心がある。
人間と付き合うのと同じように生き物と付き合っていけたらね。そんな心を失わないでいたいと思っている。
優駿の門はお気に入りのコミックで、現在アルフィーに始まったシリーズはボムクレージー・アイカのシリーズを終えて白馬のピエタに変わった。実際今回のシリーズの白馬ピエタのエピソードも実話から持ち込まれたもので感動的な話なのだ。
競馬には夢とロマンがある。その夢とロマンの中に実話が存在し、儚いサラブレッドの命の重さが一層増して感じられるんだろう。。。