モリーの手術

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今年に入ってモリーの体調はあまりよくない日が続いていた。モリーは非常に神経質な子で、まぁ幼いころのトラウマ等、原因は多少なりとも判っているので最初はいつものあれかなという感じだった。おかしいかなと思うと次の日には良くなるということを何度となく繰り返していたがしばらくすると便の形がおかしくなった。ペッタンコの平べったい便が出る。ちょっと便秘気味みたいな感じだけれど、だからどうしたって感じではない。そんな日を繰り返していると2月に入り、膀胱炎のような症状を起こした。

何度もトイレに行っては排尿の姿勢を取るがまた出ないままトイレから出てくる。何度も何度も繰り返すので排尿できないと腎臓もやられたら大事なので仕方なく病院へ行く。本当は連れて行きたくはない。なぜならモリーにとって病院は恐怖でしかない場所だからだ。普通の犬なら注射程度の事ならその場は怖がっても何とでもなるがモリーはそうはいかない。たかが予防注射でも彼女の気に障ったら嘔吐し下痢をし…ストレスによる急性胃腸炎をすぐに起こすからだ。今はもう理由が解ったので慌てることは無いが、最初の時はワクチンアレルギーだと思って冷や汗をかいた。

いろんなケースの犬を見ているけれど、モリーに関しては犬には消せないトラウマがあることを教えられた気がしている。今ではそれもずいぶん緩和できているけれど、サンダーが天使になってしまってからは急にふさぎこむ日が多くなりなんとなく白髪も増え、ちょっとまずいなと感じていた。

便の形も気になるし、膀胱炎だとしてもいきなりまったくでないというのもなんか変だ。投薬で対処できない状況になる前に行くしかないかと連れて行った。お薬を飲ませれば膀胱炎なんかすぐに治るのにと思うだろうが、実際、状態が悪くなったモリーに薬を飲ませるのは至難の業だ。

考えただけでも頭が痛くなる。獣医さんはこうしてああして飲ませられるでしょう?と言ってくださるが、モリーは飲み込ませても数分もしないうちに薬を確実に吐き戻す。吐きだすのではなく、胃の中に入ったものを吐き戻すのだ。飲み込まないものを飲み込ませることくらい私はできるけれど、飲み込んだものを吐き戻すのを止めることはできない。何度も繰り返せば、それをする相手が私であってもストレス性の急性胃腸炎と下痢を起こし、血を吐き血便になる。好きな食べ物にくるんで与えても薬だけ器用に吐きだすし、次は二度とその手には乗らない。カプセルに入れたって結局は同じだ。モリーは自分の体に異常があると薬を飲まされることを知っている。だから警戒心バリバリになって自分で自分を傷めつけてしまうのだろうと思う。大して状態が悪くなる前なら騙されてお薬を飲まされても気づかない能天気なこともあるけれど…。

賢いエリーと素晴らしい名犬の娘なのに、サイズもコンパクトで非常に可愛いお顔だけれど子孫を望まないまま12歳になるのは、この性質が万が一にも遺伝するのが怖かったからで彼女の子孫は1頭もいない。モリーちゃんみたいな子が欲しいと言ってもらうのにね…。だから我が家からエリーの血はここで途絶える。

まぁそんなわけで、うちの犬たちを病院へ連れて行くのとはモリーの場合ちょっと訳が違うというわけなのだ。エコーだレントゲンだと状況になったら一体どうなっちゃうんだろう?考えただけでも頭が痛くなるが、行くしかないからね…。

病院での検査の結果、膀胱炎ではありません(T_T) 膣の中に何かがあるって言う事で今度は精密検査になった。造影剤を入れて調べると、膣の中に目一杯の何かが存在している。癌じゃなさそうだけど、良性腫瘍はどんどん大きくなるから取らないとまずいとのこと。

こうなったらもうまな板の上の鯉。

排尿に関してはどうしても出なければ圧迫排尿をし、便も出なくなるようなら早急に手術だけれど、たぶんしばらくは大丈夫、先生の都合もあって手術日は3月24日に決まった。その日まで腫瘍が大きくなりませんようにと神に祈るしかない。

幸いなことに、日ごろの行いが良かったのか手術日当日まで何事もなく無事に…と書きたいところだけれど、案の定、手術日数日前になって急性胃腸炎を起こした。うっかりとJCOMの機器の取り換えを依頼してしまったせいで、見知らぬ人たちがわさわさと数時間家の中のモリーがいる部屋に来て動き回った結果だった。嘔吐と血便で手術日を延期しようかと思うほどだったけれど、すぐに注射で止めてもらえたのでギリギリ事なきを得た。

手術日当日、モリーの愛しの彼、コースケが一緒だったせいで車の中ではルンルンだったモリー。まさかまた病院だとは思っていなかったようで(ここまで度々病院に続けて来たことが無いから・・・。)病院が近づくとピーピー文句を言い始め、ついには私を睨みつけた。まるで騙したわねとでも言っているようだった。本当にモリーがしゃべれなくてよかったと思う。きっとしゃべれていたら罵詈雑言、嵐のようにまくし立てていただろうから…。

朝ごはん抜きで手術に望んだモリー。数日前から急性胃炎で2日絶食、ようやく夜ご飯を食べてからの手術だった。体力が持つのか不安だったけれど、延期しなくても問題はないということで踏み切った。

術後取り出したものを見せてもらうと、こんなに大きかったのと驚くほどのブツがそこにあった。直径約6センチ、確かに数回圧迫排尿をしたとき、コロンとしたボールの様なものが触ったが、これだったのだ。たぶん線維腫かな。綺麗に取れて良かったですと先生が話してくれた。また、この腫瘍がホルモンによってできたようなので一緒に避妊もした。取りだされた子宮の中には同じような小さな丸いモノがいくつもできていて、過形成とかいう奴らしい。写真を撮って貰ったか、さすがに公開は控えようと思う。

しばらくは圧迫されていたところの炎症等が治るまで違和感はあるだろうけれど、綺麗にコロンと取れたから大丈夫と言われてほっと胸を撫ぜおろす。
しかし、入院中、一切食事はとらず、ストライキを起こしているモリーだったのでこれ以上入院させずに自宅のほうが早く良くなるからとおうちに帰らされた。普通はもっと入院するんだそうだが・・・。

家に戻ったモリーは大量に排尿し、排便し(ちゃんと丸い形だった)おなかがすいたと騒ぐ。エリザベスカラーが駄目なので購入済みの「手術着」をきて、紅はるかの焼き芋にくるんだ薬を難なく飲みこみ、ご飯を食べたら爆睡している。こんな時くらいあれもこれも我慢しなくたっていいのにね。しばらくは痛みがあるんだろうけれど、おうちに帰ってきたんだからゆっくり眠って早く治りますように。。。

色々あったけれど、無事に問題を解決でしたのでめでたしめでたしだ。あとはもうじき12歳になるモリーがいつまでも元気でいられるように今まで以上に気を使ってやりたいと思っている。

お疲れ様モリー。早く傷が治りますように…。

 

 

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