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シェルティーはスコットランドのシェットランド諸島で生み出された犬種だと言われています。
シェットランド島の家畜の大半は、小さめに作られています。これはこの島がスコットランドの北端から東北に100kmも離れていて、北緯60度くらいの所に有り人間が住むにはかなり厳しい気象条件と島の作りだからであろうと言われています。


シェルティーは賢かったので人が付いていなくても羊を管理できたと言います。昔、人が住んでいる場所には牧草が乏しくなったことがあり、牧草のあるシェットランド諸島の無人島に羊の群れと犬だけをおき、犬たちだけで監視させていたという古い記録があるそうです。。。この島で生活する農夫たちの仕事を手伝ってきたのがトーニードッグ(ToonieDog「小作人の犬」)またはピアレ(Peerie「妖精の犬」)と呼ばれていたシェルティーの初期の地犬なのです。この犬たちは主たる家畜、羊の番をしたり、畑の番をしたり、放牧(牛)の手伝いをしたり、島の人たちに欠かせない存在でした。
シェルティーの役目は羊の監視をすることが大きな仕事の一つでしたが、何より飼い主の財産である農作物を飼育している羊から守る役目も担っていました。飼われている羊たちは作物を求めて柵のない畑に入り込むこともあり農作物に羊が近づくことを監視する犬たちは羊が畑に近づくと吠えて追い払ったそうです。正確な記録が残っていないのでこの島にどんな犬が連れてこられて、原型の犬が何犬であったのかは定かではありません。





グリーンランドのヤッキーという犬が、鯨取りの途中にシェットランド島に寄港した際に上陸したという説やシェパードと、スコッチコリーが連れてこられ、インブリードによって小さくなって行った犬をトーニードッグと呼んでいたなどの説やスコットランドからキング・チャールズ・スパニエルが渡った物が増えたと言う説や、もっともっと大昔に人間がシェットランド島に渡ってくると同時に渡ってきたスカンジナビア系の犬に、後から来たキング・チャールズ・スパニエルが交雑したと言う説があります。最近ではスコッチコリーではなくスコティッシュコリーではなかったかとの説も浮上しているようです。スコティッシュコリーボーダーコリーの古い呼び方でボーダーコリーと呼ばれるようになったのは1915年からだからです


※スコッチコリーという犬種はなく、スムースのコリーの出現以前はラフコリーをスコッチコリーと呼んでいたそうです。

全て推測でしかありませんが、古い絵に書かれたトーニードッグはキング・チャールズ・スパニエルの面影が感じられます。グリーンランドのヤッキ−という犬は、スピッツタイプの犬で、中央アジアのヤクと言う牛の一種を追う為に使われた犬です。ブラック&タン、または白のマーキングの入ったもの、もしくはブラック&ホワイトであったそうです。確かにこの犬種はシェットランドの人々には貴重な血液で、番犬タイプのト−ニーに家畜を追うことの得意なヤッキ−の交雑は意図的に行なわれたと考えてもいいのではないでしょうか?また新説のスコッチコリーとスコティッシュコリーの聞き間違いおよび訳し間違いによるものも非常に真実味のある説だと思います。家畜を追うための性能は今でもボーダーコリーに残っているもので毛色の遺伝等からも強力な説だと感じます。


シェットランドの人々は、やがてスコットランドを経由して、自分たちの羊の毛を売るようになりそこで素晴らしい牧羊犬を発見します。これがスコッチコリーです。現在のシェルティーの姿がラフコリーに類似しているのはこの血液を確実に交雑させたからです。


19世紀に入り、牧羊が盛んになると、羊をより多く取り扱う為には、訓練性能の高い、優れた牧羊犬を持つことが必要になりました。優れた牧羊犬は、人間の何倍もの仕事をします。訓練性能の高い優秀な牧羊犬を作るために、シェットランドの人々は、地元の犬に、スコットランドコリーの血液を導入しました。シェットランド島で扱いやすいように、小型の性能の高い牧羊犬を試行錯誤して作り上げました。これが、現在のシェルティーの祖先です。





ですからシェルティーと言う犬種は、原型が作られる過程において、決して、コリーを小型化に改良した物ではなく、シェットランド島に元々いた犬を改良していくうちに、コリーの血液を入れたことによって、姿がコリーに似て出来上がったと言う物でしょう。ですから、気質などは、コリーとははっきりと違う点が見られます。また同一の犬種のサイズが違う物、
例えば、ダックスフントや、プードルなどのサイズバラエティーとは明らかに違う物なのです。


最初のシェルティーたちは性能重視だった為現在のシェルティーのように美しい姿はしていなかったようです。シェルティーを作り出すために使われたスコッチコリーも、今のショーコリーとは程遠く、現在の、ボーダーコリーに近かったと言われています。たぶんボーダーコリーの血はきっと使われたと思います。もしくはボーダーコリーに至る前の血が…。ボーダーコリー自体が…。姿形よりも能力を尊ばれていた時代だった為でしょう・・・そしてこの頃はまだシェルティーとも、シェットランドシープドッグとも呼ばれてはいませんでした。


19世紀に英国海軍がシェットランド諸島に立ち寄った際に水兵が家族への土産として買って持ち帰ったのがイギリス上陸の最初です。1908年にはこの小さな犬種を保護し犬質の劣化を防ぐためにシェットランド諸島の州都ラーウィックで犬種クラブが結成されます。このときは「シェットランドコリー」と呼ばれていました。シェルティーが1つの犬種として公認されたのは、1914年・第一次大戦開戦の年のことです。しかし名称に【コリー】が入ることで【コリー】の小型版であると誤解されるのを大型のコリーのブリーダーが嫌ったため、【シェットランドシープドッグ】という名称になったのです。【シェルティー】とはあくまでも【シェットランドシープドッグ】のニックネームに過ぎず、正式名称ではありません。


ここまでの長い年月と、たくさんの人々の努力によって、イギリス・ケネルクラブに、公認犬種としてようやく認められたのです。こののちシェルティーは作業犬としての需要はめっきりと減ってしまい、コンパニオンドッグとして、又ショードッグとして活躍の場を変えていきます。しかし、まだ犬種の確立の為に、コリーとの交雑は行なわれていました。このあと1919年以降は、行なわれなくなったとされています。アメリカのぺディグリーラインをさかのぼってみるとたいていの犬の祖先にコリーが混ざった時までさかのぼれるでしょう。





JCC(日本コリークラブ)や、JKC(ジャパンケンネルクラブ)に初めてのシェルティーが登録されたのは1955年です。日本にシェルティーが登場してから2021年の現在わずか66年の歴史です。トライのオスGERONIMO JACK POTとセーブルのメスGERONIMO GAYIETY のシェルティーが日本で初めてのシェルティーです。その後現在の有名犬舎数舎がこのシェルティーから始まったラインをつなげ、また小さく気品のあるシェルティーに魅せられた人たちの大きな努力によってアメリカから多くの名犬が輸入され、日本のシェルティーの基盤は出来上がりました。


シェルティーが日本で大ブレイクをするのは1970年代に入ってからです。コリーが、1960年代に流行したのを受け継ぐ形でこの小さなラフコリーRough Collieに良く似た賢い犬種は、たちまち、日本中の人々を魅了していきました。愛らしい姿と賢く気品のある犬種です。日本の環境にもなじみやすく、適度な大きさの美しい犬は一般の家庭犬として広く受け入れられるようになりました。いわばスピッツの再来のようなものです。あちらこちらでシェルティーの姿を見かけるようになります。
私が小学生をすぎたころの年齢の時にかわいい茶色の小さな名犬ラッシーLassie)をたくさん見かけました。


しかし悲しいことに人気犬種の宿命か愛すべき賢く美しい犬種にもかかわらず、ペット業者によって乱繁殖されたシェルティーは、吠えてうるさい犬種というレッテルを貼られるようになっていったのです。もともとが番をするように作られてきた犬種です。犬質が落ちてくれば当然、問題となる部分が目につくような犬が増え、人々の目も他の犬種へと移っていきます。今でも人気犬種の上位に必ず顔を出しているシェルティーですが、当時を考えれば、なんと数の少ないことでしょうか・・・。しかしブームが去ることで乱繁殖は静まります。そこで本当にその犬種を愛している人たちが残り、そこからまた新たな歴史が始まるのです。





現在ではドッグスポーツの世界で、特にアジリティーの世界ではミディアムというクラスでシェルティーは群を抜いて多く存在するようになりました。もともとのハーディング気質が幸いしたこととボーダーコリー並みに賢く、しかし扱いやすいシェルティーはプロ向きというよりは一般向きの穏やかな犬種であったからではないかと思います。シェルティーには不向きとされるディスクドッグ(DISCDOG)の世界でもボーダーコリーと対等に戦えるシェルティーも現れました。


またドッグショーの世界では輸入元のアメリカで開催されるASSAにおいて日本国産のシェルティーが【best of breed】を獲得するほどの犬質となりました。



優れたシェルティーを継続することに情熱を持って繁殖をされていた人、つまり本当のシェルティーファンシャーたちの努力によって、現在、ドッグショーなどで見られる美しいシェルティーや、競技会、アジリティー、フリスビーなどで活躍する、優れたシェルティー達が存在しています。これからも日本のシェルティーファンシャーたちの努力で素晴らしいシェルティーたちは存続していくでしょう。


本来のシェルティーの持つべき優れた性能と、美しい姿、形、そして一緒に生活した者だけが知ることのできるこの魅力ある犬を、後世に残していく努力を続ける一人として、参加していきたいとおもいます。
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