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Maltese blue スレートマールslate merle
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シェルティーと暮らすようになっていろんなシェルティーが目に入るようになりました。ドッグショーや競技会場でも多くのシェルティーを見かけますし、近所の散歩や遊びに行った先でも同じ犬種の好か目にとまることが多くなりました。インターネットでもたくさんのシェルティーを目にすると気になることが出てきます。特に気になるのは毛色です。スタンダードに決められている毛色は理解できても、その種類に分類してしまってもよいのかなぁと疑問に想うことはしばしばで犬種のスペシャリストにも随分とたずねまわりましたが明確な回答は得られないままです。これはダックスの時も同じで、時間の経過とともに研究され解明されてきて答えが出てくるのだと思います。


10年前の疑問の中の一つがこの毛色 マルチーズブルーMalteseblueでした。聞きなれない毛色ですが本来の毛色はトライかバイブラックです。目に見える色を希釈してみせる遺伝子の効果によって黒がグレイに見えてしまう毛色です。ほかの犬種ではダイリューションブルーと呼ばれます。シェルティーだけがなぜマルチーズというのでしょうか?それはマルタ猫・Maltese catに由来するものです。虎にも存在して、遺伝子構造はまだわかりませんがMaltese tigerと呼ばれる虎がいるという話も。。。。どちらも体表の色がブルー色あるいはグレイであるとされています。遺伝子は多分ダイリューション(D)であろうと思われるので呼び方の違いだけでしょう。


ここで言う青い色は人の目から見える青ではありません。ブルーグレイといわれる濃い灰色です。ブルーマールのブルーと同じ意味です。そして、チーターやヤマネコ、オオヤマネコでも確認されてると記載されていますが現在のところ、実物の写真かどうかは不明で、【青い虎】の写真に見えるものはほとんどがアーチストによる想像のもとに書かれたもの(フェイク)ですのでご了承ください。





◆飼い主様からの提供により公開することができました。大変感謝しております。(バイブラックのマルチーズブルー)実存するシェルティーです。


実際には多くの日本のシェルティーには、このマルチーズブルーの遺伝子を持つ犬が存在しています。スタンダードの解説書にも、『退色したブルーの斑紋』とか、『退色したトライ』と表現されているくらい出現してきたということです。実際には、チョッと見栄えの悪いトライだと思われていたり、ブルーマールの黒の部分が色褪せたりして見えるというくらいにしか認識されていなかったので繁殖から外れることなく存続しており、この遺伝子の効果が顕著に表れたものしか繁殖に使わないという方法をとってきたのだろうと推測しています。


トライや、バイブラックの体のソリッドの黒い部分のコートカラー、またはブルーマールの大理石模様の上に発生する黒い毛色が、退色したように見える色のことです。ところがマルチーズブルーという名称で呼ばれる毛色の犬はなぜか黒のソリッドを持つ者を対象にしており、ブルーマールのようにマール遺伝子の効果が表れた毛色に関してはほとんど認識されることなく来たのがシェルティーです。他の犬種ではダイリューション効果が表れたマールの毛色を【スレートブルーslateblue】と呼んで区別しています。Googleなどで画像検索するとたくさん見えるので参考にしてください。


ダックスやボーダーコリー・オーストラリアンシェパードのように、多くの色をフリーとした繁殖(スタンダード上認めてきていなくても発現させつづけてきた歴史が長い)の上には必ず残ってくる遺伝子でありますが、シェルティーのように厳格な色の固定をしてきた犬種では少なくなっているのかもしれません。しかしながら実際、シェルティーの最初の頃のショードッグにはブルーといわれていた毛色はMalteseblueだったという説も海外のサイトで紹介されていました。


受け継がれてきている遺伝子自体がまったく消えたわけではないことは、実際に目にする機会が多いことで理解できると思います。この毛色は『ダイリューション』と言う劣性遺伝の黒を抑制する遺伝子によるもので、最近、珍しがられてダックスや、ボーダーコリーに『ブルー』と言う毛色で登録されている物です。この『ブルー』は、『ブルーマール』とはまったく違いソリッドカラーに模様を起こす遺伝子のマールではなく減色・退色させる遺伝子ダイリューションの効果のことです。ブルーマールやバイブルーには明らかな斑紋があることで違いがわかりますがこの斑紋の色が退色しており、アイラインや鼻鏡、パッド・眼の色などが黒・茶色ではなく濃いグレイで現れるものを【スレートマール】と呼びます。オーストラリアンシェパード・ボーダーコリーで総称されています。


【スレートマール】の由来は、海外の屋根などに使われる石のことで、青灰色のもののことです。今まで気にして観察してきませんでしたが知ってみた後で見るブルーマールの中には確かにこのストレートマールが存在します。マールした黒の斑紋自体がグレイっぽいところがある犬を見かけたことがある人は多いと思います。その中で幼子犬の時期には鼻鏡や目の色もグレイだった子がいたのですが大人になってしまうとなかなか見分けがつかないと思います。退色した黒の斑紋が一つでもあったらスレートマールであるのかどうかは私にはわかりません。DNA検査などで毛色の配列式まで分かるようになる日が来れば簡単にわかるようになるでしょう。今はこうしたものが調べられる検査機関はありません。


オールドイングリッシュや、ワイマラナーや、イタリアングレイハウンドのように見た目にも『灰色』と表現できるほど『薄いグレイ』ではなくもっと濃い灰色の毛色です。よく見ないと遠めに見たら『ブラック』に見える程度のものが多かったですが、もしかしたら綺麗なブルーマールだと思っていた犬がスレートマールだったかもしれません。





ダイリューションの遺伝子は劣性遺伝子であるので、繁殖する時には、同胎のなかにこの色が発現した仔犬が生まれているなら、血統上や以前繁殖された個体をを良く調べ、交配相手をダイリューションが発現していない個体を選ぶことで遺伝子をつなげない努力はだいぶできるでしょう。トライとブルーマールの組み合わせの繁殖がポピュラーなのでこの毛色を好まれる場合には特に注意が必要かと思います。健康上問題はなくても、スタンダードでは認められていない色なのであえて作出する必要があるとは思えません。悪いものではありませんがスタンダードで認めていないというだけです。色の希釈遺伝子を持っているからと極端に排除してしまうと繁殖に使う個体数が激減し、別の問題が起きることも考えられます。


個人的には危険を冒さない繁殖をしたければ、変わった・珍しい・レアな毛色は重ねないことが重要であろうと考えています。希釈の遺伝子は代を重ねなければ問題が起きることはほぼありません。マールのように重なると一代で問題が起きる個体が生まれるという報告は出ていないのが現状です。チョコレート、クリームなどは、何代か同じ色を重ねると非常に不幸な結果が出ると多くのブリーダーから報告されていますが、純血種の毛色個体を考えると毛色の固定の問題ではなく、インブリードによる遺伝疾患の遺伝子の発現に起因するものと考えるほうが正しく感じます。でなければ犬種によってダイリューションの固定されたものがあったり、チョコレートが固定されたものがあったり、チンチラが固定されたものがあったりしているのが現実で、長い間存続しつづけることは不可能だと思うからです。


人が関わって作られた究極の雑種が純血種です。健全なものを作ることは自然の摂理に任せて置けば可能なことも、人間のエゴや興味によって簡単に変えられてしまうのです・・・。色を希釈する退色の遺伝子を持つものは、同じような希釈遺伝子を重ねては不健康なものしか生まれてこなくなると報告されている現状を踏まえれば2008年現在ではこれが正しいとされるのでしょう。10年後には今以上に多くのことが解明されているでしょうから、その時が来るまで毛色の遺伝子によって起きる不健康な個体の発現と生物学的見地から別の遺伝子によって発現してくるのかの答えは出ないままです。早く解明されて毛色の遺伝子についてもより多くのことが分かるようになったら不幸な問題が解消される大きな手助けになると思っています。





このサイトのリンクページの海外のシェルティーサイトの「WINDGATE SHELTIE」 のなかのWeird & Wonderful... にトライのマルチーズブルーの写真が掲載されています。興味のある方は是非ご覧に行かれたらと思います。

※存在する毛色を紹介していますが、スタンダード(犬種基準)に於いて認められていない毛色の普及を推奨してはおりません。シェルティーはシェルティーである前に犬であり、犬として持ち合わせるであろう毛色の遺伝としての説明です。しかし命の重さはどの犬にも平等であると信じていることをお断りしておきます。。。



尚このサイトは知識を広げるためのサイトですので、もし間違ったことが掲載されていたら是非管理人までお知らせください。指摘は大歓迎ですが、匿名でのご指摘はご遠慮願います。ご指摘はメールでお願いします<m(__)m>

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