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★ vol.4 ★ 発病からの経緯 腎不全との戦い

ミールの腎臓はジェニーの時のように生まれつき形ができていないとか、小さいとかいうものではなく年をとったことによる細胞の劣化から起きる機能不全だった。シェルティーも12・13歳あたりがおおよその寿命だと言われているのだから体のどこかが壊れてきても仕方がない年齢なのだろうと思う。

ミールはショードッグとして生まれ育てられて販売されてきた犬だ。海外から輸入され、飛行機で日本にやってきたわけで、何時つけられたのか腹には刻印が押されているし、当然のことだろうけど、種雄として数年間は交配の仕事がたくさんあった。ごく普通のストレスの少ない家庭犬とはちょっと違った環境にいた時期がある。その後…体調を壊し、家庭犬として飼う人を捜されたときに私の犬になった。

だから連れてきたときに本音を言えば長生きしないんじゃないかって思っていたくらいだった。うちに来た当初、体調不良の原因がなかなかわからなかったからあのままだったら14歳の誕生日はなかったんじゃないかと思っている。若い時期に大量に使われたであろう薬が切れたことによって異変が起きたミールに適切な薬を与えることができたおかげで何とか元気を取り戻してくれた。

私はそんなミールだったからあえて彼に何かを望むことはなかった。ただただそばにいてくれて、超有名な犬舎が作ったその素晴らしい体を拝めるだけで満足だったからだ。毎日のんびりゆったり過ごしてきたせいか、ミールは13歳の年に倒れるまでワクチン以外に病院の世話になったことはほとんどなかった。

半身不随になった時でさえ誰もが驚くような回復ぶりで、ミールに病気という文字は当てはまらないようにさえ思えたものだった。




ジェニーが先天性の腎奇形のせいで若くして明らかな腎臓疾患の兆候を見せてくれたおかげで、検査上では肝臓のほうが悪いと言われながらもジェニー同様の臨床を見せてくるミールの腎臓の具合が悪いのじゃないかと疑えた。それでももっともっと早くわかっていたらもう少し長く生きられたんじゃないかという疑念は残る。

シェルティーは肝臓が悪くなりやすいとも言われているし、腎疾患で亡くなった話はすごく多い。腎不全・尿毒症・・・気がついたときにはすでにこんなところまで悪化していることが多く、調子が悪そうだからと病院へ駆け込んでも治療の甲斐なく亡くなるケースも多いようだ。


腎臓は肝臓と同じく沈黙の臓器で、血液検査上に異常が現れてきたときにはかなり状況は悪い。その異常の度合いが軽ければ治療にも多少まだ反応してくれるし、ほんの少しだけれど残りの命を延ばせる可能性がある。

私はミールに腎臓を専門に勉強した先生を主治医とし、24時間体制で看病できることを条件に静脈点滴の治療を選んだ。機材がない中でのこの方法は四六時中観察できなければならないし、何より犬が飼い主からの命令に従うか、すでに動けない状況にでもなっていなければ不可能な方法だ。

ミールはありがたいことに聞きわけが良く、調子が良くて動けても動きたいときは要求することを知ってくれたし勝手に動かないでいなくてはならないことも理解していた。そのおかげで延命できたのだろうと思う。活性炭やH4Oも使ったし、何よりマニュアルではなく彼が欲しがるものを与えるという食事療法だった。

マニュアルにある食事を用意しても受け付けないままだったから、彼が欲しがるものが今体が要求しているものなのだろうと判断した。食べたいものを食べて命が短くなってもそれはそれで幸せだろうという判断もあった。

ミールは腎性貧血も起こした。ジェニーの時に輸血を試みたけれど、輸血して良かったのかどうかずっと苦しい思いがあったのでミールは輸血にはしないと決めた。その代わり貧血がひどくなってどうにも体がしんどそうだというときにはエリスロポエチンの注射をお願いした。
何回も使うと効果が無くなると言われたけれど、ミールの体がエリスロポエチンに反応しなくなるまで使ってほしいと懇願した。数回の使用はミールの体を楽にしてあげられたんじゃないかと思う。


静脈点滴は普通の家庭で行うことは難しい。通常は獣医さんで半日から一日入院して行わなければならないだろう。だからジェニーの時は毎日半日入院して静脈から点滴を流してもらった。今思うと良くやってきたよなと思う。途方もない時間と医療費がかかった。体調が良くなればいいけれど毎日続けられる点滴で血管はボロボロになっていく。

結局ミールは点滴の針を血管に入れることすらできなくなるまで続け、その後は皮下点滴に切り替えた。食べると吐き気が起きて次第に食べられなくなっていく。皮下点滴だけが命をつなぐ最期の手段となった。静脈から入れられる栄養素が入らないことで見る見るうちにやせてしまう愛犬の姿に何度涙しただろうか。。。

どこまで頑張ればいい?どこまで頑張らせてもいい?毎日が自問自答で地獄のようだった。




2007年7月17日突然倒れたミールは左側半分が動かなくなった。8月にはようやく何とか動くようになったのに急劇に食欲が落ちた。思いかえせばこのころすでに腎機能が低下していたんじゃないかと思う。食べないことであれやこれやとやってみた毎日がある。。。
11月に入って血尿が出た。この4ヶ月間に吐いたことが4回ほどあった。だんだん疑いが濃くなり始めたころだ。12月に入って病院で検査。この時には腎臓が悪いのだと発覚しなかった。。。

2008年の1月に入っても一向に回復傾向にならないミールを腎臓を専門に勉強していた先生のほうに連れて行った。前回の検査からちょうどひと月だった。この日からすでに腎不全となっていたミールと私との戦いが始まった。この時には人間だったら透析しないといけないほど状況はきわどくなっていた。。。


病気の発覚からあっという間に病状はひどくなっていった。2月8日には入院。12日に退院したけれど後から聞いた話ではもう持たないからお家でママと一緒にいたほうがいいだろうという判断だったとか。。。その日から、まだ死なないで、もっと一緒にいようとすがりついて泣く私のために、ミールは5月の終わりまで何回も死神を蹴散らして14歳の誕生日を一緒にお祝いする約束を果たすまでがんばってくれた。本当に気持ちが通じているのだと判る飼い主思いの素晴らしい犬だった。


腎不全だ、尿毒症の末期だと判ってからたった4カ月。。。
14歳の誕生日を一緒にお祝いした後すぐに
ミールは私と一緒に寝ながら天使になった。。。
もっと早く判っていたら、まだここにミールがいたのではないか
という後悔は今も無くならないままだ。

ミールの闘病の記録はこちらから。。。







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