チビちゃん 2005年2月22日没
2005年2月15日、私たち家族の大きな期待を背負ったシェルティーのレインの早産からはじまったチビとの長く短い1週間の記録です。頑張ったから何になるのか、今も答えはでません。選択方法は沢山あったはずです。
愛犬を傷つけ、授かった命を失い、そこから何が生まれてきたのか、何が伝えたかったのか漠然としすぎています。
この世にちいさなブルーマールの女の子が生を受け、家族とともに戦った記録としてすべてを残して置きたいとおもいました。読み返すたびにこの時点でこうしていたらという思いは山のようにあふれてきます。何故こうしなかったのかという思いでつぶれそうになる自分がいます。
判らなかったわけじゃない。知らなかったわけじゃない。でも残した記録は自分がやってきたことすべてなのです。
判断が間違っていた部分も沢山あります。本来ならこうするのがベストというのも今になってから気がついていることも多いから。。。
でももう過ぎてしまいました・・・結果はでてしまったのです。
以下は名前をつける余裕もなく写真を残してあげることもなかった天国に逝ってしまった大事な私たちの家族のチビが生まれてくるまでの記録と天使になるその日までの戦いの日々です。
02/15/2005 |
レインの赤ちゃんが・・・ |
ちょっとまずいことになってる。。。 昼過ぎに1頭流産してしまったようだ。残ってるこの心音はしっかりしているんだけど、まだ今日で55日目・・・持ってくれるかどうか不安でたまらない(T_T)
とりあえず獣医さんでお薬をもらい緊急で止められるかどうか投薬してるけど本人は産む気になっちゃった気配もあってヒヤヒヤもんだ・・・
今までにこういうことは初めてなのでちょっとびびってる。 どうかあと少しレインのおなかの中で頑張って欲しい。。。
頑張れレイン’sBaby!
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02/16/2005 |
レイン頑張れ・・・ |
レインの赤ちゃんが1頭死産で出てきた。昨夜の3時ころだったと思う。 薬を飲ませても神のみぞ知るだからホルモン的なことで早まった早産以外は止められないよと聞いている。 赤ちゃんはブルーマールでちゃんと模様も見えて大きさもそんなに小さいという感じじゃなかった。 でも明らかにどこかにぶつかったかなんかしたからこうなってしまったんだねと言う状態ででてきたときにはもう一目で駄目だとわかる状態だった。
長いこと死産とかなかったけれど先に逝ってる子たちの元に一緒に葬ってもらおうと思う。 昨日の昼間では元気だったのにと思うとふがいなく涙が出る・・・動いていなくてもレインのおなかの中で頑張って育ってきた子犬だから、うちに生まれても生きられなかった子達と同じように、暮らした子と同じように神様の元に送り届けてやりたい・・・
今日の午後先生と話していただいてきたホルモン剤はやめようと言う事になった。この時点では1頭しか心音も聞こえなかったし、母体の安全が一番なので自然に任せたほうが良いのではないかという提案を受け入れてくださっての決断だ。 破水らしきものが一度あってたぶんもう1頭死産の子なんだろうと思ったこともあったし、何よりレインが元気でいられなくては意味がないので子犬はあきらめようと思ったのもある。
レインは薬の効果が切れてきたせいなのか、子犬が出てしまって落ち着いたのかしばらくは良い個にしている。 願わくば昨夜のような大きな地震が来ないのを祈るのみ。 朝方二回目の地震でびびったレインが破水したのだろうと思うのでこれ以上何もなく一時間でも長くもって良い形で出産できればと思うからだ。
遠保から心配して電話をくれた友人や多くの人に心配をさせてしまっているので状況報告だけでも残しておこうと思う。
子犬が出てからもう19時間もたつのに変化はなく落ち着いているレイン。 残った子も死んでしまったのかと不安になって聴診器を当ててみた。
わぉ〜!3頭聞こえてくる。今朝まで何回聞いても1頭しか聞こえなかった心音が3頭元気に鼓動している。 死んでしまった子犬を排出するために付いた陣痛の成だったのか薬のせいだったのか、気が動転してて上手く心音を捉えられなかったのか何がなんだか判らないが午後10時の今現在3頭はまだ無事のようだ。陣痛も収まっているしこのまま後2・3日で良いからおなかの中で頑張って育って通常に近い状態で生まれてきてくれたらと願うばかり・・・
頑張れレイン!(*^。^*) ちなみにユウちゃんは付き添いに疲れあまりのつまらなさにレインのお産部屋にテレビを持ち込んだ(苦笑) 今回は何時もと違う場所を作り広いことこの上ない。
ママになる子特別室となっている。頑張れレイン、みんな応援しているぞ!
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02/17/2005 |
緊急事態・・・ |
レインの様子が明らかにおかしくなってきたのは夜の10時位だった。腰が立たないのだ。 どこに電話してもどうにもならない不安は久し振りだった。
先輩に連絡して朝まで待てる状況じゃないと確認し、 一人だけ懇意にしている杉並の先生が捕まったのでとりあえず夜間の往診してくれるところで見てもらうことにしてきてもらった。
情けない自分にいらいらした。
夜間診療の先生の見解も踏まえ、明らかに子宮破裂や捻転を起こしてはいないがたぶん感染を引き起こしたんだろうと判断した。子犬もまだ生きている。 現状で抗生剤の注射を打って朝まで待てるかどうか100%の保証はないといわれたがレインの顔つきや体の様子から待つと決めた。
そうでないとはじめてのところでレインはおなかを切られることになり話しを聞く範囲では「子犬ごと子宮を取りましょう、たぶん子犬は助からない」と判断しているような雰囲気だったので子犬の蘇生にも立ち会えないのはどうしても納得が行かなかったので帝王切開事態をお断りした。
とにかく抗生剤の注射を打ってもらい炎症を抑えて朝を待とうという判断にした。
注射を打ったのが11時半くらい・・・レインの様子が明らかに落ち着いてきたのが3時くらい・・・ ようやく抗生剤で炎症が進むのが長まっているのだと思った。
朝方5時半に胎盤らしきものが出た。するとレインは自力で立ち上がってトイレを済ませ大きなシーツにはみ出すほどおしっこをして、沢山水を飲んでその後少し柔らかめのウンチも沢山した。
目の輝きも何時ものように戻って息の荒さも収まってきたので判断は間違っていなかったと少しだけ安心した。後は朝まで急変しないかを監視していくしかないから・・・
8時半になりレインがおしっこをしたので急いで病院へ走る。 夜間診療の病院からは治療状況はFAXでいっているし、留守電には事情を説明し緊急で帝王切開をお願いしたいと入れてあるのであとは行くだけだ。
待っていてくれた診療室に飛び込む・・・血液検査で白血球は多少高めだが状態は悪くはない。 エコーで見ると子犬は3頭しっかり鼓動しているように見える。但しエコーは反射するので頭数は当てにはならないけれど・・・ とりあえず後はレントゲンを撮って問題がなければ抗生剤の投与でレインも赤ちゃんも無事にとなる可能性があるとわかり涙がこぼれた・・・
レインがレントゲンを撮ってもらいに行った。待合室で「よかったねあの時はじめての病院の言うままの判断だったらレインもおなかを切っただろうし子犬も最初から駄目だったよね」と話をしていると 曇った顔の先生に呼ばれた。
嫌な予感が・・・天国から地獄へとまっさかさまに落ちた。
レントゲンには先生もはじめて見ましたよという異様な子犬の影があった。1頭だけ子犬自体がガスに包まれているのだ。私も初めてみた。。。 先生の説明の前にすぐにわかったから、「きらなきゃ駄目ですね。お願いします。」と口をついて出ていた。ちょっと苦笑いしながら話が早くていいやと言った感じで「そうですねきったほうが良いです。手が開き次第すぐにきりましょう。」と心強い返事が来た。
説明をされなくてもわかる。。。この状態だったら子犬も助からないこともあるだろうし、レインの子宮も取らなきゃならないかもしれない。でも今ならまだ間に合う。レインは絶対に助かるはずだ。
第一にレインの命、次にはできることなら授かって今日まで頑張ってきた子犬たちの命・・・そしてその上に出来るなら体のためにも子宮はまだ取りたくはない。問題があるなら仕方がないけれどもう産まなくても取らないほうが健全だと思っているからだ・・・
すべてまかせますと言って来た。今までの信頼関係で先生たちの腕を信用しているからきっとレインのために一番良い方法を選んでくれるはずだ。私に出来ることは手伝えるなら子犬の蘇生位しかない・・・
手術は恐い。100%じゃないから・・・どうか神様レインを助けてください。 現在レインをあづけて一時帰宅していて書いている。11時40分である。 忘れてしまわないように大事な記録として・・・
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02/18/2005 |
レイン緊急手術 |
午後2時、病院から電話が来る。速攻で向うと既にレインは手術室の中に・・・
赤ちゃんは心音が二つあるけど微妙な線との説明を聞いているうちに手術は始まった。 ふと考えればレインのおなかには予想していた4頭いたってことじゃないか。 1頭は16日の午前3時ころ死産で生まれた。その後にレントゲンで3頭の姿は確認できたがそのうちの1頭がガスが発生していた。前の晩まで生きていた子がこんな風になるもんなんだろうか?
おなかの中の体温は38度以上あるのだから生きているうちに感染しその後に死んでしまえばならないわけもないかと考えたりする。 とすれば生まれてくる子たちはすべて感染している可能性だってあるわけだ。羊水を飲んでいたらアウトかもしれない。 レインは強い子だから大丈夫、きっと大丈夫と思うからこそ赤ちゃんのことを心配していた。
早すぎるからこれじゃ生きていけないから・・・そう思った判断は今になって思えばきっと間違いだったんだ。
生きて生まれてきた子は2頭。小さいトライの女の子は羊水がまっ黄色になっている中から出てきたので体全体が黄色くて息もか細くて蘇生できるかどうかちょっと不安な子だった。 すぐに2頭目が出てくる。YUUKIがその子を担当した。綺麗なBlueの女の子である。すぐに息を吹き返し元気良くたくさん泣いたので安心しながら小さい子の蘇生をできる限り頑張った。
でもトライの子は30分くらい頑張ってくれたけれど大きな息をすることなく天国に逝ってしまった。 心停止していなければ何時間だって頑張るけれど、ごめんねと・・いつか元気になた生まれておいで・・・いつでも待っているからねと綺麗なタオルに包んだ。ふがいなくボロボロと涙がこぼれる。AHTの子にティッシュを差し出され、何時も駄目だよね、こういうのに慣れることができないんだと言いながらボロ泣きしてしまう・・・
先生から声がかかる。「子宮どうする?」我に返る。
「え?大丈夫なの?」「ウ〜ン微妙」「じゃぁもうあきらめるから取ってください」「判った。。。」
しばらくすると又声がかかる。「なんか大丈夫そうだから残したほうが良いよ」「ほんと?」「うん、たぶんいけると思う、チャレンジしてみる価値あるよ」「又切る様な事にならないかな?」「100%ないとはいえない、炎症もひどいしね、でも残せる可能性にかける?」「ウ〜ン・・・二回切る体力はないと思うから任せる、先生信じるから・・・」
その後、「やっぱり取るよ、糸が抜けちゃうから・・・」「お願いします。。。」
レインの子宮を見た。片方は収縮が始まっているというのに片方は収縮していなかった。つまり残しておいたら又すぐに手術しなければならなかっただろう。。。 先生はレインのことも良く知っているし、残してあげたかったねといってくれたけれど、私の不注意のせいでこうした自体にしてしまったのだから謝らなければならないのは私のほうだった。
ファンタが生まれたからすごく期待していた今回の組み合わせ・・・そのせいで、レインはおなかを切りその上に子宮を取らなければならなくなった。 全部私のせいである・・・
おなかを打って死産の子が出てしまったとき生きている子犬を優先していた。 レインは元気で丈夫な犬だからまさか感染症になるなんて考えなかった。動けなくなる直前までいつものように文句を言いながらピョンピョン跳ねてたレイン。。。 それに惑わされて急性子宮感染症を起こすことはいくらでも予見できたのに大丈夫だと高をくくっていた。みんな私が悪いのだ・・・
生きて生まれたBlueの女の子は元気な声で鳴いたがなんとなく呼吸がゼイゼイしたままだ。 感染してしまうかもしれない。新生児が感染症になったらまず助からない。助かったら奇跡に等しいと聞いている。 どうか肺炎を起こしませんように・・・今日まで頑張った命なら何とか無事に生きて欲しいと思う。 でも不安は募るばかりだ。
麻酔が切れそうなレインの横で赤ちゃんのおなかがなんとなく紫色に感じてしまう。蛍光灯のせい?気持ちがマイナスになっている。 逝ってしまった子の分も、痛い思いを我慢していたレインの分も、オオバカヤロウのママを助けてくれるYUUKIの為にもチビちゃん頑張って・・・
麻酔が切れた元気のない痛々しいレインを抱いてチビを抱いて家路に着いた・・・
私は最低最悪の女だ。。。大事な子をこんな目にあわせてしまった・・・どうやって償えばいい・・・
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