人それぞれの考え方がありますから、ここでは、個人的意見が多大に含まれている事を前もってお断りしておきます。 ショードッグとは、この犬種は、どうあるべきかという犬種規準に基づいて、その犬種を後世に残していく為に必要なブリーディングストックを選ぶ為に比較審査を行なうドッグショーがあり、そこに出陳して、なおかつある程度の勝負を争える犬種としてのレベルの高い犬を言います。ですから、どんなに犬質が良い犬で素晴らしい犬でも、ショーに出せるマナーの入っていない犬は、当然勝負になりませんから、ショードッグとしてはまだ未完成ということになります。 また人によってはショーに出したことがあれば、または出す予定があればショードッグという場合もあるようです。ブリーダーに言われたからショードッグだという人も飼い主の中にはいるようです。ブリーダーによって好みが違ったりもするのでショードッグへの定義はいろいろな意見が出る部分です。 私は、ショードッグというのは一概に職業名のようなものであって、成長していく過程でその道に合う個体であればそのように育てられチャレンジし結果を出すので結果的にショードッグになるのではないかと考えています。生まれた時からショードッグなんって…あるんでしょうか?(笑)蛙の子は蛙と言いますからそういうことも大いにあるかもしれません。 話を元に戻して・・・。そして、その規格のレベルに達していない全ての犬を、一般的にパートナードッグ、または家庭犬とかペットと呼んでいます。通常シェルティーの場合の多くの規格のレベルの選択肢はサイズです。なぜかというとサイズだけは解釈の応用が利かない部分で、まず一番先に外す項目だからです。誰もがスタンダードに外れていると確認できる部分がサイズにあります。 日本のシェルティーの本場アメリカでは昔はサイズ内にはいらなくてもほかに非常に良い形質を受け継がせる遺伝子を持っていたり掛け合わせる相手次第で優れた犬を作出する犬はブリーディングストックとしてたくさん活用してきました。サイズだけに問題が残ったという犬は非常に多く存在します。ですからショータイトルを持たない犬から多くのチャンピオンが作出されている事実は歴史とも言えるでしょう。 ショードッグはサイズ内に入ったからと言ってOKではありません。ドッグショーというのはスタンダードに記載された細かい項目に評価されるその犬自身がいかに近づいているかが問われる競技ですから、サイズに入った犬がクオリティーが高いのではないわけです。 また、ショーを走り勝ち続ける多くの雌犬に共通することが繁殖の時期を逃しがちであるということです。雄犬と違ってコートコンディションを整えつつショーを走ろうとすると繁殖にかかわれば数シーズンを棒に振ることになるわけです。なので雄にはショードッグとして大成し多くの子を残すことができるものが多く、雌には少ないのが現実になっています。実際遺伝的なことから言えば、雄の遺伝子の作用よりも雌の遺伝子の作用のほうがはるかに子に受け継がれるものが多いと言われており、良い台雌と言われる母親になる犬を作出できるかどうかのほうがショードッグを産ませるよりも難しいと言われています。 ショードッグとしての犬質について、詳しくはJKCスタンダードのページを参照してください。 人間が目で見て、触って判断するドッグショーでは、勝負の段階で多分に、審査する人の好みというものも関係してくるようです。団体によって違いがありますが、審査のできる人はその犬種のスタンダードをきちんと勉強して把握しているのです。試験に合格しないと、審査員になれない団体もあります。審査員になる為の試験のない団体もあります。犬の団体には、それぞれのポリシーがありますので、自分にあった団体に加入する事によって、その団体が行なっている様々なイベントに参加できるようになります。 私はパートナードッグとは、飼われた人にとって大切な連れ合いであることが重要だと思っています。その犬と一緒にいる事を幸せだと感じられる存在こそが、パートナードッグなのではないでしょうか?血統がどうであれスタンダードに外れていようとも、エリートでなくたって良いと思います。サイズオーバーも、アンダーサイズも、アンダーショットでも、オーバーショットでも、ミスカラーでも…。見た目だけで人に評価されたくもありません。病気になっても老犬になってもpartnerdogは家族ですから最初から何も変わることがないのです。 もちろん、素晴らしいショードッグがパートナードッグの場合もありますね。ただ、どんな犬でも同じ命を持って生まれてきたのですから犬という固有の生き物として考えるならば、何一つ差はないと思います。 しかし1つの固有の犬種を維持していく為には、スタンダードに定められた物を規準としてブリーディングする必要があります。明らかにスタンダードから遠くはなれている場合は、犬種としての維持が難しくなってしまうので、できるだけ、ブリーディングストックからはずすべきだと思います。ただし見た目にあるものと受け継ぐものの違いがブリーディングストックとしての価値を変えることを忘れてはならないでしょう。ブリーダーはその価値を十分に知り、自分の理想とするシェルティーを目指して作出に精を出すのです。購入される方はそのブリーダーの理想を知り、自分に合うものを求めに行くと夢がかなえられるのではないかと思います。 パートナードッグは大昔、人間と、犬とが出会ったときから存在していた物だと思います。人にとって、自分たちと違う種類の動物のうちで、唯一家畜ではない動物であるといわれています。 人と、犬の係わり合いの初めては、互いに相手を必要としたからだとさえ言われているのですから・・・・家畜というのは、相手が人間を必要としていないのに人間が必要なので、利用する動物です。食用にしたり、移動の手段に使用したり人間が快適な生活を送るために様々な動物が利用されてきました。もちろん犬もそういう動物のうちの一種類に過ぎないという考え方もありますが、ある一定の集団で生活しリーダーに従い畏れ敬い、血族・仲間を愛し、また女性を尊び、子供を大切に教育する・・・こんな生き物だからこそ、犬は人の仲間になったといわれているのです。 当然使用目的によっては純血種を作り上げていくうちに、彼らが昔から持っていたものの中には消されてしまった物もあるでしょうし、より強く表現するようになっているものもあるでしょう。シェルティーという犬種は、何頭かで協力して役割ごとの仕事をこなし飼い主の命令と自分の判断で仕事をこなすように作り上げられた犬種です。忠実な精神と、賢い頭脳と、仲間に対する愛情を兼ね備えた物です。 パートナーとして犬を迎えるなら、シェルティーはとても素晴らしい犬種です。当然ショードッグとしても犬質の高い物がたくさん生まれてきています。ショーに出陳するしないは別にしても、できれば犬質の高い犬を選ばれると、一緒に人生を歩いていく約15,6年の間、ほどほどの犬よりもいくつか楽しみが多くなるでしょう。しかし、ドッグショーに出陳できない犬が、犬として劣る事はありません。 私個人は、それぞれの犬の個性を尊重して、その犬に合った事で能力を開花させてあげる事が、シェルティーを飼う醍醐味だと思っています。