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毎日が緩やかに過ぎ、今年も色々な事がありました。大切な子との別れや新しい命の誕生・・・一日が積み重なって大きな歴史になっていきます。最愛なる青い瞳のマリンは新しい年を迎えるとすぐに14歳になりました。 耳はまったく聞こえなくなり、手術不可能といわれたそけい部の脂肪腫は彼女の歩行を妨げていたのが自然の成り行きなのか見た目には大きくなりすぎたまま袋状に筋肉からはがれたので身軽になりました 進行性の病気のせいで彼女の体の筋肉は益々落ち、充分な毛量のおかげでみすぼらしい状態には見えにくいですが、痛くないように気を使って触る体はもう骨と皮のようにゴツゴツとして、最近では毛の短い部分の顔などは触らなくても明らかにげっそりとやせ細っているのがわかるようになりました。 階段は危なくて一人で上り下りはさせられないので毎回抱くことになりますが、骨が折れてしまうのではないかと気遣いながらそおっと抱く事が習慣になっています。マリン自身は私たちの気遣いなどお構い無しに「早く下ろしてよ!」「もう二階に行きたいんだから早くあげてよ!」と私たちを顎で使い、抱くまで飛び跳ねたりするので毎日ハラハラし通しです・・・。 太りやすい体質で若いころは体重の維持と管理にずいぶんと気を使ったものが今では病気のせいと栄養分の吸収力の悪さからか体重は落ちる一方で8キロを切りそうです。それが不思議なもので彼女にとって体が軽いことは良いことなのか、軽々と飛び跳ねたりするさまを見る事ができています。今はもう頭の中は2ヶ月の子犬と同等なのだなぁと思わずにいられない動作ばかりになりました・・・。 9歳半で生まれたときから一緒に暮らしてきた姉妹のキャンディーを亡くし、その後急激な体調不良がおき様々な病気と闘ってきました。犬にも老いはやってくる・・・解っていたけれど目の前で徐々に老いて行くマリンから輝きが消えることはありません。それは見た目ではなく私の心の中にそれが残っているからでしょう。 10歳を過ぎて明らかな老化現象が見えてきました。 あれほど聡明だったMARINに私たちの意図が音を通して伝わらないもどかしさ・・・ 彼女の混乱をどうしたら自然体で抑えられるかの葛藤・・・それは極普通に家族が彼女の老いを認めるという作業から得る事ができたような気がします。 マリンの耳が聞こえなくなり始めたころ・・・家族はそれを受け入れようとしませんでした。私よりもずっとマリンを愛しあきらめていなかったからだと思っています。 彼女の耳のすぐ後ろで手をたたいても反応しない事が明確になるまで葛藤は続きましたが受け入れる気持ちが出来てからは聞こえないこと自体が自然なこととなりました。 マリンとの意思の疎通は手話に近い作業から得る事ができ、如何に驚かさないようにこちらの意図を伝えるかはマリンから教えられた気がします。聞こえないという現象は老化のひとつですが神様はそれだけで許してはくれません。天国に帰る準備として少しづつマリンを子供に戻して行くのです。 成長していくときの数年は犬にも飼い主にも華やかで楽しい時間です。でも・・・衰退していく数年は犬にとって自然なものを飼い主が受け入れられるかどうかで彼らの幸せは変るように思うのです。 出来ていたはずのトイレが出来なくなったり、飼い主を認識できなくなったり、Perfectにしつけられた行儀の良い子でさえ食べ物に異常な執着を持ったり、いわれていないようなことを繰り返し続けたり・・・子供のようにはしゃぎ続け、揺り動かしても起きないほど眠り込んだり、意味もなく吠え続けていたり、夜中おきて眠らなかったり・・・ 健康な体であっても年を取っていくと言う事は辛いことです。普段が元気に動けるからなおさら、なぜこんなふうになってしまうのかを人の老化と同じように受け入れようと努力しなかったら、犬には辛い日々となります。 私たち家族は目の前で老いていくマリンから多くを学んでいます。若くして何もかもが解り合ったまま逝ってしまった子達とは又違う不思議な連帯感のようなつながりを感じることもあります。 今年、水頭症という病気で脳自体が機能できなくなるまで頑張り続けたスズの介護を通して、老化により人で言う「認知症」のような症状も経験してきたことは今後のマリンとの暮らしの中にきっと多くをいかせるのではないかと思います。 本当はもっともっと若く元気だったままのマリンでいて欲しいと願うけれど、彼女が犬である限りいくら子供だと思って一緒に暮らしてきても先に逝ってしまうのでしょう。犬との暮らしは人生の縮図を見るようなものだと思います。 幼く弱い時期を守り育てた結果に若く美しい時期を互いに楽しみ、年老いて多くの問題を抱えるようになった今でもあの迎え入れたときの心に響いてきた感情を忘れることなく愛し続けられること・・・ それが本当の愛犬家ではないかと思う2006年でした。 マリンがいて今があります。 今年マリンのひ孫のパフィー(ブルーマールの女の子 マリン→クリス→メロディー→パフィー)とROCK(トライの男の子 マリン→レイン→ミルキィー→ROCK)が彼女の血をつなげる為に又我家に残りました。 MARINのような輝く犬に育てていくのが私たちが出来るマリンへのお返しだと思っています・・・。 2007年3月マリンはまた新たにファンタが産んだ6頭のひ孫の顔を見ることができました。 マリンはあまり女の子を産まなかったので、クリスも男の子ばかり産んでいるような気がします。 不思議なものでマリンもアイスもレインも最後のお産は女の子ばかりの中に男の子が1頭と言う組み合わせで、親子だなぁと感心します。クリスの最後のお産も同じように女の子ばかりの中に男の子が・・・なんってことになったら面白いなと思います。 マリンはキャンディーを失ってから大きな病気を抱えつつがんばって生きています。長生きして行く中に、彼女のひ孫として生まれてきたジェニーを見送りました。たった二年しか一緒にいられなかった可愛いジェニーの分まで、私たちと一緒に過ごしてもらいたいと思います。年が明ければ彼女はもう15歳になります。いろんなことを一緒に楽しめた時期は短かったけれど、その短い時間がとても輝いた子はマリンが一番です。これから生まれてくる子犬達の中に【青い瞳のマリン】がまた現れる日を願いながら年老いたマリンとの日向ぼっこが毎日の日課となっています。 2007年7月、マリンより年下の13才のミールが病気になりました。最初は突然半身不随の状態でうまく立つことができません。獣医さんに行っても原因を見つけるためには麻酔をかけてMRIやCTを取らないといけないと言われます。ミールの情けない顔を見ているとこんな状態で麻酔をかけるなんってと不安のほうが強く決断ができませんでした。 人間を考えれば半身不随と言ったら脳梗塞を疑います。私はミールのが自分の犬であり彼の命を握っていることで自分の勘を信じました。獣医さんにお願いして血栓を溶かす作用のあるサプリメント【ルンワン錠】を出してもらいトランスファーファクターと共に飲ませ続けました。すると功を奏してミールは治ってしまったのです。 でも…ミールに忍び寄る老化の影はこれだけでは終わりませんでした。数ヶ月前に天使になったジェニーとよく似た症状をミールが起こしていることに気がつきすぐに病院へ連れて行きました。血液検査をしてもらえばすぐにわかる病気なのに、その時は肝臓が悪いと言われしばらく薬を飲ませましたがどうも様子が変です。 不安になった私はジェニーの最後の時にかかりつけだった獣医さんではなくその病院から独立された新先生のもとに行った事を思い出し、 年をとった子はこちらの先生に 診てもらおうと思っていたので病院を変えました。 こちらの先生は腎臓が専門だったこともありました。 そこで検査した結果ミールは すでに腎臓の機能がひどくなってしまっていることが発覚したのです。 肝臓ではなくて腎臓。。。そんなバカな・・・ あんなに前に病院へ連れて行っていたのに…。 とてもショックでした。 その時からミールと闘病生活が始まりました。 このころはまだマリンはそれなりに毎日を楽しく暮らせていました。 日ごとに悪くなるミールの病状と 何とか緩和してやりたい毎日が続いた一年でした。 2006年に一時また口が開かなくなったマリンでしたが 筋炎だと診断されて以来ずっとステロイドを使い続けています。 プレドニンを一日に半錠ですが、 食べられるように口が動くためには怖い薬でも使うしかありません。 病気のせいで筋肉がなくなっていくらしくどんどんやせてしまいました。 たくさんご飯を食べているのに眼の中まで肉がなくなりくぼんでしまったのです。 マリンが大きなあくびをするとあの綺麗な青い瞳が裏側に回ってしまうのか、 見えなくなったのもこのころです。 |