マリンは1993年生まれです。今年誕生日を迎えて15歳になりました。シェルティーで15才は標準的な大きさといわれる中では長生きなほうです。それも薬漬けで長生きかとちょっと悲しく感じていましたが、マリン自体はそんなことを考えることもなく優雅に暮らせていたと思います。
その反面ミールの病状はどんどん深刻になって行きました。一喜一憂する日々は【闘病日記】につづり続けました。
病気だけど元気に暮らせてて良かったねと安心していたマリンが5月9日、ミールの病気が深刻になる中で突然具合が悪くなってしまったのです。最初こそなんか食欲がないなという程度だったものが年のせいなのか一気に倒れてしまったのです。どんぶりいっぱいにご飯を食べていたのに急にいらないと言い出し、肝臓のことを考えるともうダメなのかもしれないと不安ばかりが募りました。
ちょうど新先生と相談してステロイドをやめてしばらくしたころでした。なぜかこの年でヒートが来てしまったのです。数年間全くなかったヒートが来たことで膣炎を起こしたことが発端だろうとの見解でした。年が年なだけにあっという間に病状は悪化します。通院する病院ではミールよりもマリンのほうが病状的にはひどく1週間くらいしか持たないだろうと宣告されてしまいました。それでもできる限りの感染症の治療をしてもらい先生も驚くほどの回復ぶりで一時は治ったかのように立ちあがってくれたほどです。
そしてこの年齢でステロイドを切ったせいで始まったと思ったヒートそっくりの出血は実は膣の中から出ていた感染による膿だったのでした。ヒートだから仕方がないと思って獣医さんに駆け込むことが遅かったら今マリンはここにいなかったでしょう。。。しかしマリンが良くなればミールが悪くなるといった繰り返しでそのうちにマリンは回復しミールは悪化していきました。マリンは感染症だけだったので感染さえ食い止められれば良かったのでしょうがミールは生きるための機能に問題があったのです。
この年の5月、ミールは彼の死を恐れ毎日のように頼んでいた私の願いを聞き届け14歳の誕生日を迎えるまで頑張り、一緒に眠ったまま天使になりました。。。
ミールを失ったダメージは予想以上に大きく、立ち直れる前にその当時に次々降りかかってくる問題に精神的に対応できなくなった私は毎日をふさぎこむようになってしまいました。マリンのためにできることだけをし、サイトを閉じようかと考えたり、繁殖をやめてしまおうかと考えたりした時期です。
マリンは薄紙をはがすように回復していきました。獣医さんが驚くほど頑張りぬいて、私に希望を与えてくれました。頑張ったら答えてくれる。。。本当にマリンは私の立ち直りを見届けるために生き抜いたのだと思います。
自己免疫性疾患による特発性咀嚼筋炎と診断されて、数年間、死ぬまで飲み続けなければならなかったはずのステロイドは感染症を止めるために投薬をやめました。本当にこの病気だったのならこの後1年以上も生きながらえたでしょうか?全身の筋肉がなくなっていくはずのマリン。
少し良くなってきたときにいろいろ検査した結果、おなかの中に良性であろう大きな腫瘍があることがわかりました。もしも悪性だったらここまで大きくならないうちに命が持たないからです。手術は当然不可能です。肝臓の数値は麻酔に耐えられるとか耐えられないとかいうレベルをとっくに超えていて生きているのが不思議という状況を数年間も続いていたからです。それに確か肝臓の中にも腫瘍があったはずだったし・・・。
その腫瘍はそけい部分からぶら下がっている袋状の脂肪腫と診断されたものからつながっているようでした。獣医さんの診断はこの腫瘍が大きくなってくると膀胱や腸が圧迫されて排尿ができなくなるとか便が出なくなるといった状況になるだろうということで、その時がいつ来るかはわからないけれど、ステロイドの投薬のおかげで今までこの程度ですんだのじゃないかと言われました。筋炎でかえってよかったのかもねと笑い話までしたのです。
それはこの時の状況としては不幸中の幸いといった感じだったのでしたから。。。
ミールを失ったけれどマリンは頑張っています。たまにに感染症は起きるけれど、たまに食べ物の好き嫌いを言うけれど、ちゃんと一人で歩いてお水も自分で飲めるし、ご飯はラーメンのどんぶりに丸々1杯食べています。。。そんな15歳の年でした。