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★ vol.3 ★ 半身不随と腎不全からの生還記・・・

ミールは13歳の夏まで何事もなく元気いっぱいに暮らしてきた。2007年の夏、突然倒れた。左半身マヒ…。こんなことも犬には、シェルティーには起きるのか?獣医さんに行ってもMRIやCTスキャンが必要だといわれるし、年齢を考えれば麻酔はかけたくないし、想定された腰椎ヘルニアおよび頸椎ヘルニアでは症状が違うと思うし…。人だったら左半身がマヒしたらまず何を疑うか、血栓が詰まったと考えるのが妥当じゃないかと推測した。

検査を受けないのだから獣医さんもどうしようもない。でも私は今麻酔をかけて検査することよりも想定した問題を解決する投薬を選んだ。さすがに獣医さんは薬として処方する強いものを使ったら血栓であれば問題はないがどこかが出血していたら大変なことになるとしぶる。両者が納得したのは血栓を溶かすといわれているミミズのサプリメントのルンワン錠だった。

倒れてから10日も過ぎたころだったかミールの足には力が入るようになり自力で立てるようにまで回復した。痛みがあったのか夏場で暑かったのか食欲も落ちたのでいろいろと食べさせる工夫を凝らした。パパはミールが全く立てなくなったら可哀そうだと言って馬が骨折した時に宙づりにしておくようなものを作ってくれたくらい状態が悪かったのに、一日たつごとに回復していった。ミールが歩けるようになり庭にも暑い時間帯を避けて日向ぼっこに出られるようにまでなり、何の心配もなくなったころから妙に尿の量が多いことに気がついた。

食欲が定まらなく、偏食する分体に悪いものでもいいから食べなければとある程度目をつぶっていろいろと食べさせてきたことでもしかしたら腎臓か肝臓に大きな負担を強いているのかもしれないと気がついたのはこのころだ。

老犬は急激に病気が進行することがある。もちろん気になって検査を受けた。その時はまだ肝臓の数値が高く、腎臓よりもこちらが問題だと言われていたので肝臓に負担をかけないように努力してみたが…そして吐き気を抑えることと食欲を戻すことに集中していた。犬にも病気の前兆みたいな事ってちゃんとあると気がついたのは具合が悪くなった日のことを書き留める作業をするようになってからだ。闘病日記はそのために続けている。半身麻痺になる二週間前にミールは激しい嘔吐に苦しんだ。人も脳に血栓ができたりすると頭痛や吐き気にさいなまれると聞く。

だとすれば今のミールの状態はきっと大きな病気の前触れかもしれないという不安が募っていく。急に食欲がなくなる。たんぱく質を多くとると具合が悪くなる。嘔吐する。ついには血尿が出た…。前年ジェニーを腎不全で亡くしたばかりだったこともあって、ミールのあらわす諸症状が余りに彼女の時に似ていたことで肝臓ではなく腎臓ではないかと思いジェニーの時にお世話になった先生を頼りにした。

血液検査から肝臓には問題がなくなっていて腎臓の値にかなり問題があると発覚。その日から皮下点滴が始まった。ひと月前に検査したときにすでに数値上問題があった腎臓の保護をどうしてあの時しなかったのか悔やまれる。点滴さえしていればこんなに早く悪くならなかったんじゃないかという疑念がわき出てくる。このときには10キロはあったミールの体重は8キロ台にまで落ちていた。

皮下点滴を始めると急に食欲が出たがタンパク質系のものしか食べなくなった。いやな感じだ。
でも長いこと取れなかったたんぱく質を体が欲しがっているんだろうと思う。

でも…ジェニーもたくさんとり肉を食べた後に倒れた。

まだ病状が深刻じゃないと思っていたのに、予想は裏ぎられてミールの病気は突然悪くなった。
前の年の夏くらいから徐々に悪くなっていた腎臓が悲鳴を上げだしたのだ。
2008年2月3日...ミールは倒れこんだ。

闘病日記2008年2月

病院から戻ってきてすぐに血便を出したあと血圧が一気に下がり、トランスファーファクターと血圧を上げる薬をたまたまもらっていたことでそのまま天国に召されるような事態にはならなかったが、今もあの時に逝ってしまっていたかもしれないという恐怖が戻ってくるくらい一瞬のうちに目の前にお迎えが立ったようだった。

この日からほとんどものを受け付けなくなったミール。このままそっとお迎えが来るのを待つほうがいいのかと何度も考えた。ジェニーのように最後の最後まで頑張れるだけ頑張らせて何の意味があると苦しくて辛くて自分で死を望んでいるかのように食べることを全く拒否し続けている犬にこれ以上いろんなことをしてもよいのか悩んだ。

でも私は、もう駄目だと思う時になって決心がつかずに病院へ飛び込んだ。もういいよねとは言いたくなかったんだろう。その日からミールは静脈点滴に切り替えられ一日で500ml以上の点滴を入れ続けた。最初は病院で一日かけてゆっくりと入れ続けた。何かあったらという不安を抱えながら見舞いに行ったとき彼は私のことも分からない状態までひどくなっていた。顔を見て泣きながら家に帰る道。事故なんかおこしたらミールを迎えに来れないと運転している間顔をひきつらせて涙を我慢した。

5日間の入院の後、自宅で点滴を続けることで治療を続けようと提案があり家に帰ることができた。
最初の数日は今にも死んでしまうのではないかと思うほど体温も低く鼓動も少なく不規則で眠ることができないまま時間が過ぎていた。氷のように冷たいミールの手足を自分の手でくるみ、体をさすりながら眠れない夜を過ごした。

少しづつ、本当に少しづつ彼は回復した。

すでに血管はどこからもとることが不可能になるほどまで点滴はつづけられた。

数値が下がり始め状態も回復していることが明らかになり、危機を脱したことが確定したのは3月14日だった。すでに体重は6キロ台に落ち骨と皮になった骸骨のようなミールを抱いて神様に感謝した。

奇跡はそう簡単には起きない。でも今回のケースは奇跡的なものだと先生も言ってくれた。
どうして腎臓が回復してきているのかはわからないけれど、
静脈から入れた点滴が人工透析のような役目をしてくれたのだろうし、
その間体力がもったからなくならずに今があるのだろうと言ってくださった。

我が家は通常の飼い主たちのように
充分な個別の散歩などをさせてやれる時間は少ない。
家の中や庭先を利用して体力を作ることは
日々どの子にもやっているが、これで十分と思ってはいない。
その子その子に対しての食事の状態を管理したり、
体つきから多くを判断し調整してきた。
それでも完全なマニュアルがあるわけでもなく
犬からの答えを聞くしかないでいる。

ミールが普通なら助からない状況までいっても
持ちこたえてくれたことは、
今までに亡くしてきた子たちへの後悔や反省から
得たものが大きくかかわっているのだろう。
そしてまだ一緒にいたいという
私の願いを叶えてくれた彼にありがとうの言葉を贈りたい。

ミールはあと少しで14歳を迎える。
これからもまた年齢という大きな壁に泣いたり笑ったりする日が来るだろう。
今はただ傍にゆったりと眠る彼の温かな鼓動の音を聞けることに感謝して毎日を過ごしている。

ミールの闘病記  
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