春なのでワクチンの話。

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狂犬病ワクチンと混合ワクチンのことについて。

どちらのワクチンについても一部には体に非常に大きな害があるという情報もあり愛犬家には頭の痛いものの一つです。

<狂犬病ワクチンについて>

日本は世界でも数少ない「狂犬病清浄国」です。ただ、「狂犬病」という名前はどうも納得がいきません。(苦笑)

なぜならこの病気は「哺乳類」全般がかかり、かかった生き物は他に感染させるからです。

なぜ犬の名称がつかわれたかというと、人間と最も接触の可能性が高い生き物だったからだと言われています。

狂犬病が撲滅されていない国での発症原因が一番多いのは犬に噛まれたことのよるものだそうなので仕方がないのかと思う部分もありますが、

愛すべき生き物の名前をこうした病名に使われたことはいささか不満でもあります。

さて、いくら「狂犬病清浄国」である日本でも、検疫を通すことが当たり前ながら狂犬病のある国々から多くの輸入犬が持ち込まれていますし、犬のみならず野生動物も持ち込まれてきます。数年前には法律が変わり、狂犬病の抗体があるという証明がないと輸入できなくなっていますが

もしかしたら不正に犬や猫・そのほかの哺乳類が持ち込まれているのかもしれません。密輸という奴です…。

不正に入ってきた動物に、もし万が一日本で発症されてしまった場合に一気に広がる可能性は否めません。なぜなら・・・悲しい事に実際は「抗体」を持っていない犬が日本には五万といるからです。

そうしたことを考えれば「狂犬病予防法」は正しい道でしょう。

発症したらまず助からない恐ろしい病気であることは周知の事実です。

大切なことは愛する犬たちに「狂犬病の抗体」が付いているかどうかということです。

体に悪いから・死んでしまう危険があるから打たなくてもいいやという事ではないと思います。

安心できるからこそ、また万が一の「国内の狂犬病発症」が起きても何ら問題なく一緒に暮らしていける状態にしてあること、それを忘れてはならないと思うのです。

病気のワクチンによる抗体の持続年数はそれぞれ違います。

今のところ、アメリカ・米国獣医学協会(AVMA)や米国動物病院会(AAHA)では狂犬病ワクチンの抗体は3年間は持続するとの見解で接種も3年に一度となっています。多くの州で3年に一度の接種になっていますが、実験施設の中でのデータなので一般社会でのデータではないことから州によっては毎年接種義務の所もあるそうですし、ハイリスクな子犬達の場合には最初から3年に一度ではないところもあるそうです。実際に発症がある場所では当たり前のことかもしれません。

日本はどうか?というと国で決められた毎年の接種義務があり、通常毎年春に集団接種を含め登録犬に対し接種のための知らせが届く仕組みになっています。ですから本当なら飼育された犬はみんな問題が無いはずなのですが…実際はそうはいきません。

病気が無い事で発症しない分だけ、危機意識は下がっているのだろうと思います。

仕組み上、登録していない犬にはその通知は届きません。

産まれてこの方狂犬病の抗体を持たない犬もたくさん存在しているのは事実です。

こうした事実から毎年の接種義務を3年に一度に変えればもっと接種率が低くなると考え改善されないのではないかと思います。

ですが、愛犬家の一人として大切な我が子たちに「危険」を冒して過度な接種を望んではいません。

高齢になって散歩にも行けなくなった犬の感染の可能性は極度に低いはずです。

病気治療しているような犬たちも同様でしょう。こうした犬たちは獣医師によって免除されるべきと思います。

また、確実に抗体が続いているのなら、元気な成犬でも、抗体値継続中に追加接種は望みません。

人間のワクチン接種同様に「国で定められている狂犬病ウィルスのワクチン」だからこそ、抗体の持続年数など正しい研究がなされ、少しでも早く接種間隔が開くことを祈らざるを得ません。

そのためにはやみくもに「打たなくても良い」ではなく、「飼い犬に抗体を付けてあれば」の大前提を見失わないことが必須だと思います。

 

<混合ワクチンについて>

混合ワクチンは飼い主の自由意思で接種を決めることができるのをご存知でしょうか?

もちろん獣医さんからは毎年お知らせが届きます。ワクチンの季節ですよ~!と。

混合ワクチンは犬の場合、コアワクチン(犬ジステンパーウィルス・犬パルボウィルス・犬アデノウィルス)とノンコアワクチン(コロナ・レプトスピラ・パラインフルエンザなど)に分かれます。ちなみに「狂犬病ウィルス」はコアワクチンに入ります。

混合ワクチンのコアワクチンと呼ばれるものの多くは犬が感染すると死に直結するものが多く、広い範囲に拡大する恐れが大きいので抗体を付けることは大変重要なものです。

ノンコアワクチンはその個体が感染する可能性が高い場合に接種することが勧められるもので、実際に抗体の持続期間が短い事が多いようです。レプトスピラは数か月から1年ほどしか持たないと言われています。ワクチンのアレルギー反応が出やすい事も多く、特にレプトは感染しても発症しない個体もいたり、初期であれば治療可能だったり、中にはすぐに死んでしまう個体もいたりしますが、感染力は弱いと言われています。

日本で使用されている混合ワクチンの種類は実にさまざまで、3種・5種・6種・7種・8種・9種・11種などなどワクチン自体に入っている種類の数によって違い、利用する獣医師によって変わります。もちろん製薬会社が違うことで内容が違いますし、抗体が付く度合いが違うという話もあります。

狂犬病のワクチン接種同様、米国での研究結果から混合ワクチンについてはおおよそ7年から8年の抗体持続期間があるという情報が出されました。実験施設の中でのデータであるとのことですが個人では研究されている方もおり、より多くの情報が流れるようになっている昨今です。日本でもデータを集めることができるようになれば接種期間の間隔について改善される余地もあるのでしょうが、やはり獣医師からの要請が無ければ難しい事ではないかと思うことしばしばです。

大切なことは子犬の時期に正しく抗体を付けることです。我が家の場合には母親に確実な免疫があるため子犬は8および9週で1回目をうち12週以降で2回目を打った後、1年2か月を過ぎてから3回目を打ちます。追加接種は犬の行動によって変えています。施設を利用する犬には接種種証明書が必要ですから…。毎年の接種でなくてもこの方法で20年間混合ワクチンの中にある病気は発症したことがありません。

仔犬の時期のワクチン接種があいまいだったり、早すぎて抗体が付いてなさそうだったりした場合には獣医に相談し的確な接種が必要だと思います。

抗体が付いた犬に過度な追加接種を望まない場合、現段階ではペット関連施設の利用等に制限がかかるでしょうが、獣医によっては「抗体価」を調べてくださるところもあるのでその証明書でOKが出る世の中になればと願っています。でなければ接種するか利用しないかどちらかですが。。。

いろいろ調べてみましたが、犬たちの体に害があるという情報が出回ることで本来の正確な情報がうやむやになってはならないと思います。犬は人と同じく社会の一員なので、自己責任の中で判断し行動に移すことが重要だと考えています。

 

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