お嬢様ソルトの紹介

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たまにはお嬢たちの事でも書いてみようかな。と言うわけで第一弾はソルトちゃん。ある方からブルーマールについて記事を書くのでサイト内のページを使わせてもらいたい旨の連絡があり数回連絡を取り合って許可したので久しぶりに毛色の事でいろいろ調べものしました。で・・・いろいろ見つけたので現物の写真もあることだからちょこっと説明を。。。

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ご覧いただけたとおりシェルティーには珍しい毛色のソルト。この毛色・・・まずい毛色だと間違われちゃったりするんだけれど、健康に問題が起きるダブルマールとは違うんですね。みなさんご存知のジャックラッセルとかパピヨンとかに現れる「パイボールド」と同じ毛色なのです。彼らが不健全だという人はいませんよね。犬種が違うと毛色の呼び方が違うのですが、シェルティーの場合には体表面積に白が多い個体を「カラーヘッド」とか呼んでいます。他犬種の同じ毛色が健全なのですからシェルティーだけが不健全であるはずがありません。

但し、血統証に乗せる毛色の書き方としては他犬種同様で表現されている毛色の名称を書きますから「ブルーマール&タン&ホワイト」となるわけで普通のブルーマールと違いが判りません。体表面積に現れる多さの順に記載するとか決まっていればいいのになぁと思いますが、仕方がないです。他犬種の場合にはホワイトを先に書くことがありますが。。。

さて、スタンダード(犬種基準)では体表面積の50%以上の白がある個体に関してはショーリンクにおいて失格とされています。この理由は聞いた話によれば、「羊と見間違うから」とか???それ以上の明確な理由はどこを探しても見つかりませんのでもし理由が解明したとか別の理由を発見した人がいたらぜひ教えてください。ちなみに同じことで産まれてくるコリーに関しては「ホワイト」と言う毛色でショー出陳もOKであり失格にはなりません。つくづくスタンダードとは不思議なものだと思います。

さて、ソルトのような毛色が生まれてくる背景は、両親犬が持つ毛色遺伝子に関係しています。ブルーマールの正しい毛色の繁殖はブルーマールに交配するのはトライ(ブラック&タン&ホワイト)もしくは通常バイブラックと呼ばれているブラック&ホワイトで、ブリーダーによってはセーブルもありますがソルトの両親は父親がブルーマール(マック君)で母親がトライ(エコー)です。

両親ともに太ももまで白が表現された毛色なので、太ももにタンが発色する個体よりもより多くの白を発現する遺伝子を持っています。つまりソルトの体に現れた白い部分の毛色はブルーマールを表す遺伝子Mmのmが重なっていないためにS遺伝子の仕業なのですがS遺伝子にはまだまだ解明されていない部分もありますが大きく分けると4つ解っています。ソルトに関わるものは2つなのでそれだけ説明しようと思います。

ひとつは「Si」 シェルティーに良く見るアイリッシュスポットと呼ばれる柄を表現する遺伝子で、首のまわり・鼻筋・4本の脚・尻尾に白を出現させます。もちろん他犬種にも出るものです。このパターンは人間に好まれたため長い間残されてきたものだと思われます。コリー、ボーダーコリー・コーギー・セントバーナードなどに多いです。実は人間にも表れます・・・この事はまた別の機会に。。。

次は「Sp」 これがジャックラッセル・パピヨン・フレンチブルドッグなどに良く出現する「パイボールド」で呼び方は様々です。パーティーカラーなどとも呼ばれますしキャバリアの場合はブレンハイムと呼ばれています。呼び方は違いますが毛色を表現する遺伝子は同じです。犬種を辿っていくとアイリッシュパターンを表す犬種の多くにこのカラーは現れます。白い毛色が好まれたのかこちらの遺伝子を固体化した犬種も多いです。

ソルトの両親は両方ともSiとSpの中間の表現型として生まれたと仮定します。見た目的にはSiだけれど部分的にSpと考えるのが妥当でしょうか。この遺伝子の組み合わせによって生まれてくる子犬の表現型はSiの子犬とSiとSpの中間系の子犬とSpの子犬です。ソルトがSpで産まれた子です。

現在エコーは母親になる時のパートナーをプラスにした結果、プラスはブルーマールでも白の配色が少ないSiなのでSpが産まれてくることは無くなりました。しかしSiとSpの中間系は産まれます。遺伝とは追えば追うほど興味深く不可思議なものだと思います。たまに研究者になりたいなと思うことしばしばですが…。

長くなりましたが、そんなわけで我が家の爆裂お嬢様のソルト嬢は白い体ではありますがダブルマールとは違い、健全な体を持って誕生しました。ちょっと大きめだけどお茶目でかわいい子です。男の子顔負けの体力で日々楽しく暮らしています。

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