攻防戦。

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ジャイアンに薬を飲ませるのにカプセルを使ってごまかせたのは束の間、数日の間だった。ふと、みんなが貰っていない美味しいもの(この時は缶詰)に突然気が付いたジャイアン。ダックス特有の上目遣いになって、なんか怪しいと言い出した。案の定、注意深く噛み噛みしてくれたからカプセルから薬が出ちゃって口から泡を吐きだしてぺっぺと涎を飛ばして抗議された。ヤバいなと気が付いた時に薬入りにしなければ良かったのに、つい急いじゃった私の負けだ。

そうか、そうだよね、みんなは貰っていないもの、オカシイに違いないわ。ホントにこういうところに頭使えるのって喜んでいいのか悲しんでいいのか…。

では次の手段。

うちの犬たちには毎度おなじみのさつま芋の甘煮。これは度々もらっているので味はお気に入りだ。ジャイアンの肝臓にまずいかどうかはチーズよりは砂糖のほうがましであるという根拠の無い自信によって採用され、一つ目を慎重に食べているジャイアンを片目で見ながら、どうぞと何も入っていない芋団子をみんなに食べさせる。

一つ目を慎重に食べ終えたジャイアンは、これは!!!という顔をして他の子も食べているので我先に貰おうと前に出てきた。ふっふっふ、しめしめ!と私は心の中でしてやったりと思う。中に何も入っていないと確認すれば慎重さは減っていく。

このパターンになればほかの子に取られたくはないので急いで食べることになる筈なのだ。ジャイアンのすぐ横にサンダーとプラスを並べ、もう一度何も入っていない芋団子を振舞う。焦るジャイアン、もたもたしてたらみんなプラスに食べられちゃうからね~とか発破かけるからくちゃくちゃ噛んで確認するのは減るわけで…。

一口で丸呑みしてもいい大きさにするために、さっき薬一個づつ仕込んでおいた芋団子をはい次!という速さでジャイアンの口の前に差し出したらパクっと飲み込んでもっとという顔。ココで続けてあげるとまたばれるのでみんなの口を一周してからジャイアンへ。3回繰り返したら飲み終えましたわ。

はい、私の勝ちね(*^_^*)

夜ご飯の時には処方食の上にラムとご飯のスープをたっぷりかけて薬入りの芋団子をトッピング。いつもなら先にもらう順番を最後にしたら違和感感じずに急いでパクついた。はい、今回も私の勝ち~!(^^ゞ

舌なめずりをするくらい食欲は旺盛になった、退院してから10日。あの胆嚢は今どんなふうになったんだろう。肝臓の数値は落ちただろうか。不安ばっかりあって、いつもはじっと見つめたりしないジャイアンを見つめていると「なんだよ!」っていう顔をしてたまに上目づかいの彼と目が合う。

そのたびに、ジャイアンは可愛いねぇ~と他愛のない言葉をかけて、へらへらと尻尾を振って寄ってくる彼の体を抱き上げて、今、彼の体が暖かく、心臓の音がすることの感触に感謝する。

ずっとずっと傍にいてよね。母も頑張るからさ。。。

あの日、お腹が痛くてうずくまりながらも「助けてお母さん」とすり寄ってきたジャイアン。君が母を頼ってくれるのだからどんなことも答えられるようでいたいと思っているけど、次の検査で動揺したらごめんね。君にそんな姿を見せないように頑張ってみるよ。少しでも良くなっていますように…。

 

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