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2009/04/22 Wed

犬の毛色・基本編

哺乳類の皮膚や毛色の色素は、【メラニン色素】という皮膚の表皮最下層の基底層や、毛の毛母基にあるメラノサイト・メラニン細胞(色素細胞)で作られています。

メラニン色素は血液中のチロシン(アミノ酸の一種)とシステインやグルタチオンなどが加わることで形成される二種類に区別されています。

ユウメラニンとフェオメラニンです。

ユウメラニンはほとんどがチロシンを含んでいて黒色をあらわし、フェオメラニンはチロシンのほかにシステインやグルタチオンを種々の量含んで赤褐色から黄褐色をあらわします。この色素の沈着する部位に関しては遺伝子によって決まっています。

またメラノサイトはメラニン細胞刺激ホルモンの支配を受けています。

哺乳類の毛色、および肌の色を支配している遺伝子座は6座位あり、模様・斑点などをあらわす修飾遺伝子座が犬の場合には15座位あるとされています。
つまり犬の毛色遺伝子座は21座上の対立遺伝子または複対立遺伝子によって支配されているのです。

犬種によって毛色の呼び方は色々ですが、実は呼び方の違う毛色が同じ毛色を指していることがわかるのは大切なことです。

なお、哺乳類の犬だけではなく調べてみるとその共通性は大変面白いものです。馬やサル、猫、羊や牛など家畜化されたものは解明されているものも多くなりました。特に犬の純血種の研究は、人間の病気の解明に大きく役立つことが分かったのでより一層解明が進みつつあります。

犬の毛色遺伝子についても、イヌゲノムの解読によって今後また新たな情報がもたらせることと思います。ここでは現段階でわかっているものについて掲載していますのでご承知おきくださいますようお願い申し上げます。