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2009/03/07 Sat

ジステンパー

犬ジステンパーは食肉目の動物に感染し、特に犬には強く反応が出るとされていますが、人に感染することはありません。
イヌジステンパーウイルス(CDV)が感染犬からの接触・飛沫感染が主となります。鼻水をたらし眼やにが多く出てくるのが特徴ともいえます。最初は風邪のような症状ですが致死率の高い怖い伝性病の一つです。パルボの出現の前までは犬にとって一番恐れられてきた伝染病で、日本オオカミの絶滅の原因の一つとも言われています。

症状

ウイルスに感染後3〜7日で眼やにや鼻水・急な発熱・下痢などの症状が現れてきます。これはウイルスが体内のリンパ組織に侵入し、体を守る役目があるリンパ球を攻撃し壊してしまうため、細菌感染を起こしやすくなるためです。

一時的に発熱は収まりますが数日間を開けて第二期の発熱が再開し1週間程度継続します。これが特徴の一つです。
この間ウイルスは増殖を続け、神経系に達すれば痙攣や麻痺なども起きるでしょう。抗生剤の投与によって一定時期改善の兆しが見えますが、なかには脳炎を発症した場合、痙攣や麻痺意外に錯乱状態が起きたり失明することもあります。

また、断続的な痛みの伴う筋肉痙攣が徐々におきる犬もいます。ハードッパットと呼ばれる、鼻や足の裏の皮膚をウイルスに攻撃されることによって硬化し亀裂を起こすことも特徴とされています。

原因

犬ジステンパーウイルス(CDV)の感染によって発症します。このウイルスは人間の麻疹と同じ属にあるウイルスです。


診断

通常は症状によって診断されます。場合によっては脊髄液の検査等が行われる場合もあります。

治療

特効薬はありません。抑えるべき症状によって処方される薬は変わり、抗生剤の投与も必要になるでしょうし、痙攣発作等の場合には抗痙攣剤や鎮静剤・鎮痛剤などが投与されます。脱水が起きていれば輸液も必要になります。人間の麻疹同様に薬でウイルス自体を死滅させることは不可能なので対処療法のみとなっています。

予防

ジステンパーの免疫抗体は母親から受け継ぐことで大きな効果をもたらします。つまり繁殖する際の母親自体に高い抗体力価が存在することが必要です。ばらまかれたウイルスは家庭用洗剤・消毒剤によって不活化することができるので、繁殖の現場ではウイルスの侵入を防ぐとともに日々不活化への努力が必要です。

通常はパルボ同様、母犬の体の中にいる間に抗体を受け継ぎ、初乳による抗体を貰って育った子犬なら、生後70日くらいまで、免疫が切れる事は少ない物です。母犬が予防注射を摂取していなかったり、生後すぐに母親から引き離されて母乳が飲めなかった場合は注意が必要で予防注射の接種を早める場合が必要になることがあります。

通常8〜12週令までに第一回目のワクチンの投与をし、獣医の指示でブースター効果が高まる期間を経て第2回目の接種が望ましいでしょう。

こうした感染症で生き残れる個体は全身状態の良しあしで生命の存続が決まるような部分も否めません。仔犬には適切な食事を与え十分な運動ができ、体力がしっかり付いていることが望ましいのです。子犬の体重が減ってしまうような環境であるならそれは危険を招いているようなものです。


※ ジステンパーは日本ではまだ壊滅できていない感染症の一つで、この感染を切り抜けても感染した以上生還を果たしても大きなリスクが伴うことがあります。チックのような症状を起こし続けたり、子犬の場合なら永久歯に生え換わる際に斑状歯(Mottled tooth)になります。これは人で言う歯のフッ素症と呼ばれるものとよく似たもので、歯にまだらが出てしまうことです。
筋肉のけいれんは徐々に軽くはなりますが完全に消滅することが少ないようです。他にも痙攣性筋萎縮症が残る個体もいます。脳炎の後遺症が年をとってから発症する場合もあります。

仔犬だけが感染するわけではなく老犬の感染の報告もよくあります。予防注射でつけられた抗体は数年たてば消えてしまうものです。ある程度の間隔で正しくワクチンを接種しておくことが最大の予防法です。
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