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2009/03/07 Sat

Category: Quality of Life

ワクチン接種の話

この10年、犬たちの寿命は獣医学の大きな進歩によって格段に伸びてきました。でも、まだまだ理想の状態に達しているかと聞かれれば、ようやく最初の一歩を踏み出したにすぎないと感じています。
それはたぶん、愛すべき犬たちがどうしても商業ベースの中で存在するものであるがためなのでしょう。

多くの正しい情報が商業ベースの中で覆い隠されている事実はたくさんあります。

たとえばワクチンの接種など、海外では数年に一度でよいと義務付けられるようになっていても日本では毎年するべきであるという観念が消えません。
本来ワクチンの抗体をしらべ、その値が基準に達していれば健全な体の中にわざわざ弱毒化された菌を入れる必要がないものです。でもこの方法が取られない最大の理由はワクチン接種のほうが値段がずっと安いからです。
そして大きな理由の一つとして抗体値が上がっていても感染する可能性が皆無ではないという事実です。

獣医の立場からしたらワクチンの接種をせずに感染したとき、責任問題になるという疑念があるでしょう。飼い主側にも獣医の見地で問題ないといわれたからワクチンを打たなかったのにと考えるだろうと思います。
訴訟問題等に発展する可能性を考えるなら、毎年定期的にワクチンを打っておき、予防をするほうがベストに違いありません。

しかし…ワクチンの接種についてデメリットのほうを正しく説明してもらった飼い主はどれほど多くいるでしょうか?

日本でもデーターとして発表されているだけでも、狂犬病のワクチンでも、混合ワクチンでも、死に至るケースは少なくはありません。またアナフィラキシーショックのほか重症の後遺症を残したケースもあります。ですから、あえて最初からステロイドの投与をした上でワクチンの接種をする獣医もいるようです。

ワクチンはステロイドを打ってから投与しても抗体がつきにくことを説明された人は少ないはずです。それ以上にステロイドによる副作用が起きることも否めません。

私は、仔犬へのワクチンの接種はできるだけ数少ない種類のものを投与することが望ましいと教えられました。多くの疑問の中、多くの文献をたどり、海外での状況もリサーチしたうえで得た結果は、ワクチンの過剰接取は百害あって一利なしでした。

人間のワクチンからも推察できるようにおおよそ病気に対する抗体はその種類にもよりますが、生ワクチンといわれる接種方法であれば軽く感染する状態を作るので、ものによっては終世免疫がつきます。
人間の有名な生ワクチンはポリオワクチンで、多くの人々がこのワクチンは赤ん坊の時に接種済みでしょう。

よほど稀なことがない限りポリオに感染する人はいなくなりました。人類はワクチンの開発で多くの病気から自分たちを守ってきた歴史を持ち、その技術力があります。

病気の種類によって、またワクチンの効果持続期間や抗体の継続期間によって多少の差はあれど、死の危険から身を守るための多くのものは犬のワクチンのように毎年切れてしまうと錯覚されるものはないと考えられます。
それは人間のほうがより多くの病原体に脅かされる危険があるにもかかわらず、毎年定期的に打つワクチンの数はほぼないに等しいことで推測できるでしょう。
インフルエンザのように毎年流行する型が変わる可能性のあるものは人によって年齢や体力を考えて接取が望ましいものもあります。イヌが受けるワクチンに入っている病気の元はインフルエンザのようなものとは違います。

ジステンパー・パルボ・犬伝染性肝炎の3つは免疫持続期間は正しい接種を嵩じた結果に抗体が付いたものの攻撃試験の結果、5年以上あるといわれています。確かにそうだろうと思うには野生種のイヌ属がワクチンを打っていないにもかかわらず、その種を存続し続けて着た経緯からもわかります。
人の飼う犬たちは野生種よりも育成環境が狭く同種の接触の可能性は比にならなほど高いためワクチンを接種しないとあっという間に伝染してしまうという条件からワクチンは開発されてきたのではないかと思います。

開発された当初からの伝統的な習慣のように毎年1回の接種がいつのまには当たり前になってしまったのでしょうか。開発当時とは比べ物にならないほど科学も発達し研究も進んでいることでしょうに。。。

日々向上していく獣医学によって、これから先、犬たちが不必要なワクチン接種を繰り返さないで済むように、抗体検査などが安価になって同じ検査をするのでも危険なことにできれば遭遇しない方法の選択ができる日を望んでいます。