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2009/04/04 Sat

拾ったら飼い主!?

先日、傷ついた野鳥を保護しました。ネコにかまれてしまっていて助かる見込みは少なく、結果は残念な形になってしまいました。日本古来の野鳥なら保護し怪我の治療が済めば放鳥が可能です。でも、野生の生き物といっても日本古来でないものもたくさんいます。

日本の在来種でないものは生態系を崩してしまうのでリリースはしてはいけないのです。

今では当たり前にみられるアメリカザリガニやブラックバス・うしがえる・カダヤシなどは輸入されてきた生き物で、生態系にあってしまうと日本古来のものが絶滅しかねません。こうしたことについても動物愛護法でかなり厳重に決めごとが決まりました。

人が係わる生き物の中には野生のものではなく人の庇護のもとにしか本来は生育できないものがいます。それがペットにされてきた犬や猫たちです。無責任な人間の代償として今でも多くの捨て犬や捨て猫が存在しますが、幼い個体や傷ついた個体を見かけたら見捨てておけない人も多いでしょう。

我が家もどちらかと言ったらその口だと思います。

でも安易に保護できるのかと言ったら実は大変なことに手を出そうとしているのだということを知っておかなければなりません。

飼い主の存在しない生き物は、いわば所有権が放棄されたものです。つまりどこかの誰かが捨てたであろう犬や猫は所有権はありません。ところがこうした生き物は抱き上げた瞬間にその所有権が発生すると決められているのです。

つまり捨て猫を抱き上げてしまったら、その猫の飼い主とされてしまい、飼えないわと手を放すと、放棄したとみなされるわけです。犬も同じです。

迷子になっていたり、怪我をしていたり、明らかに捨てられている子を保護しようと思うとか、保護したけれどこの後どうしたら良いかという相談をよく受けますが、生涯面倒をみる気でなかったら保護しないほうが良いと答えています。

でも・・・実際問題、傷ついていたり、そのままだったら死んでしまうような幼さだったり、年寄りだったりしたら、抱き上げてしまいかねません。私自身も何度もそんなことがありました。

捨て猫は数回保護しましたが、一度だけレスキュー施設に託した以外は覚悟して飼い主になりました。猫たちはそれぞれの寿命をまっとうし、一番長い子は23歳でした。5歳で亡くなった子は大病を患い、高額な治療費がかかりました。どの子も去勢手術をしましたし、野放しにせずに飼い続けました。

迷子の文鳥もセキセイインコも13年の生涯を送りました。

野鳥の多くは怪我が治ったり大人になると放鳥したものか、助けられずに亡くなったものもいました。

幸か不幸か犬たちは迷子にしか巡り合わず、すべて飼い主が見つかったので道端にいて我が家の子になった子はいません。でも、飼えなくなったと言われたので引き取ったり、虐待されて連れ戻した子もいます。

ペットショップで買ってしまった子は、そこにそのままだったらきっと死んでしまうだろうという劣悪な環境で耐えられずに連れ帰った愛ちゃんです。業者に引き渡すといわれて我が家の子に迎え入れてしまった子もいます。売り物にならないといわれて行く先の中った子もいます。

犬でも猫でも鳥でも…みんな命の重さは一緒です。でも飼育する気持ちがないのに感情だけで保護してもだれかが尻拭いしてくれるわけじゃないのです。なんとかしたいと思ったら自分で飼ってあげるしかないのだと思っていたほうが無難です。

その子がどんな子でも、どんな運命であっても…飼うという行動はとても重たい行動なのですね…。