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2009/03/05 Thu

ケンネルコフ

この感染症は、別名イヌ伝染性喉頭気管炎と呼ばれる伝染性の強い感染症です。喘息のように強い咳が出るので、ケンネルコフ(イヌの咳)と呼ばれています。頑固に咳が続く呼吸器の病気です。

症状

最初のうちは空咳が続き、食欲や元気はなくなることはまれですが、微熱があり、気温の変化や興奮したり運動したりすると咳がひどくなります。
何かが喉につかえてるような咳をする事もあります。
この程度で収まる場合もありますが、他の感染症との混合感染や二次感染を起こしたりして重症になると、鼻水に膿が混じってきて食欲もなくなり、肺炎を併発する事もあります。

仔犬、老犬は免疫を十分に持っていない事が多く、肺炎に移行する場合もあるので注意が必要です。

原因

数種のウィルス(パラインフルエンザ・イヌアデノウィルス2型・イヌヘルペスウィルス・レオウィルスなど)の感染、マイコプラズマという微生物、気管支敗血症菌などの細菌の単独または混合感染によるものです。
混合感染では死亡率も高くなってきます。

この病気は飛沫感染なので、感染しているイヌの咳やくしゃみによって空気中にばらまかれたウィルスや細菌が直接他のイヌに広がっていきます。

診断

短く乾いた咳が続く、微熱がある、食欲がなく鼻水が出る、等の症状とレントゲンによる胸部の撮影によって判断します。
他に、ウィルスや、細菌、マイコプラズマなどを調べてみます。

治療

イヌアデノウィルス2型、イヌパラインフルエンザのウィルスには特効薬はありません。
マイコプラズマの場合は有効な抗生剤(エリスロマイシン)があるのでこれで治療します。細菌も効力のある抗生剤を使用します。
他に咳を抑える為の治療も行なわれます。
肺炎に移行しなければ2〜3日から数週間で回復します。

予防

ケンネルコフに関してはワクチンを接種していても感染することがあります。ワクチンで避けることのできる病原体はパラインフルエンザ・イヌアデノウィルス2型で、他には百日咳を起こすグラム陰性好気性桿菌ボルデテラです。

感染する細菌はほかにも数多くあり混合感染のことが多いので、幼い子犬の場合には容易に多くの犬との接触がよいとは限らないことを知っておきましょう。

ケンネルコフを起こすものは予防注射で避けられるものだけではありません。咳をしている犬のそばに行くことは極力避けたいものです。

2009/03/04 Wed

パルボウイルス腸炎

パルボには、『腸炎型』と『心筋炎型』の2つの形があります。
一般に発生し飼い主の方が見舞われるパルボは、『腸炎型』の方が圧倒的に多い物です。
発病すると、わずかに1〜2日で死亡する事の多い恐ろしい病気ですが、ワクチンの接種により予防できるようになりました。
勿論発見が早く適切な処置ができれば、1週間ほどで回復に向かいますが、完治するまでには1ヶ月ほどかかるでしょう。

症状

個体差はありますが、激しい嘔吐があり、24時間以内に、頻繁に下痢が始まりこの下痢は白っぽい物から始まり、ドロドロの粘液状の便になり、血液も混じりドロドロのトマトジュースに似た粘り気のある便となっていきます。

特有に臭いがあり、魚の腐ったような匂いのする下痢である事が多いです。
激しい嘔吐と、下痢の為に脱水症状を起こし、体力の無い子や、腸炎の痛みによってショックを起こす場合もあります。

原因

イヌパルボウィルスが感染する事で起きるウィルス感染症です。
日本では1980年代の始めに大流行し、その当時は『犬ころり』などと呼ばれていました。
主な感染経路として、感染している犬の糞や、嘔吐物それらが触れた食器やタオル、雑巾など、そしてこれらに触れた人間の手足、衣類などですが、このような感染物に、犬が直接口や鼻をつけて感染する経口感染です。

イヌパルボウィルスは、細胞分裂の激しい組織が住み着きやすいので、感染先が腸である事が多いのです。
パルボは、2・3ヶ月をすぎたイヌならどの年齢でも感染する可能性があります。
一番多く感染する可能性のあるのは母親からの免疫の切れる、10週から12週に集中します。
治療が遅れれば嘔吐や下痢が発生してしまうと、1・2日で90%が死亡します。成犬でも25%が死亡する怖い感染症です。

診断

通常パルボに感染すると、血液中の白血球が減少するのでこの検査だけでも診断できますが、まれに時間が立たないと減少しない場合もあることが最近判ってきています。
確定診断をするのに最近では『パルボキット』という抗原検査キットもでき、動物病院で短時間で簡単に調べる事が可能になりました。

検査室がある動物病院ならこの他にも確定するための検査が行なわれる場合もあります。

治療

ウィルス感染なので、隔離して治療にあたります。
このウィルスに効果のある薬は今のところ発見されておらず、点滴や酸素吸入などで脱水やショック状態の回復に努めます。
インターフェロンの投与も良く行なわれます。

体が弱っているので他の感染症を起こさないように二次予防として抗生剤の投与も行なわれます。
こうして3・4日生存できるとあとは回復に向かい1週間程度で殆ど良くなります。
仔犬の場合は体力的な問題などもあり、しばらく点滴等を続ける必要のある場合もあります。

予防

仔犬を迎えたら9週目までに一本目の予防注射を行ないます。
その3〜4週間後に2度目の予防注射を受け、後は年1回の追加接種を毎年行なっていくのが普通の予防方法です。

犬が多く集まる場所に連れ歩くような場合には、できれば4ヶ月頃に追加接種をすることが望ましいでしょう。

通常は母犬の体の中にいる間に抗体を受け継ぎ、初乳による抗体を貰って育った子犬なら、生後70日くらいまで、免疫が切れる事は少ない物です。

母犬が予防注射を摂取していなかったり、生後すぐに母親から引き離されて母乳が飲めなかった場合は注意が必要で予防注射の接種を早める場合が必要になることがあります。

パルボウィルスは非常に丈夫なウィルスで、1年くらいは生きるといわれています。
そして普通の消毒液ではこのウィルスには効果がなく、煮沸消毒か、塩素系ハイターを30倍に薄めて使うと効果があります。

不幸にもこのウィルスに感染した場合は、犬舎やトイレ、糞や嘔吐物で汚染されていると思われるものすべてを完全消毒しなくてはなりません。


獣医さんで『パルボ』と診断されたときに覚えておくと良いこと。。。

通常『パルボ』に感染しているとわかった場合に病院側はほかの患者と同席させることはまずありません。
万が一パルボの犬が来てしまったら病院は真剣に消毒します。
犬が触れたところだけでなく飼い主が触ったり、洋服が触れたようなところまでもです。ウイルスは目に見えないからです。。。

入院させる場合にも『隔離施設』が整っていなければ入院できないことのほうが多いはずです。

『パルボですね』と言われたらまず病院がどうしたかを思い出してください。

子犬が血便を出したり、具合が悪くなると『パルボ』と診断されることが多い気がしますが、本当のパルボなら生存率は限りなく低いでしょうし、だからこそワクチンの必要性を多く語られているのです。

犬のワクチンは感染すると非常に死亡率が高いために作られているからです。

『パルボキット』使用での判断に加え血液検査の白血球の数を調べたうえでの診断は適切だとは思いますが、同居犬がいる場合には、ワクチンの抗体がついているもの以外には『インターフェロン』を打つことで発症を抑えられる可能性が出てきます。

この病気に感染した場合には、家の状況まで獣医さんに相談しないと次々と感染することもあります。

3回のワクチンが入っていないと感染するとも言われています。

たまに『パルボ』ではないのに、『パルボ』だといわれるままに入院させて完治したと思う方もいるようですが、本来『パルボ』は感染して完治すれば『生涯免疫』がつくといわれている病気なのです。

ですから本当にパルボだったらもうパルボのワクチンは必要ないはずです。しかし、抗体がなかったら、ワクチンを打っていなければ確実に感染します。
獣医さんでパルボですと言われて、もし直るような幸運なことがあった後には必ずパルボの抗体があるかどうかの確認をしておくべきです。

万が一誤診でパルボでなかった場合、ワクチンを怠っていたら確実に感染します。獣医さんを信用していないというわけではありませんが、パルボではないのにパルボだという診断を出す獣医さんに何回も遭遇してきたのであえて書き遺しておきます。パルボに感染し直ったといわれたら、必ず抗体検査をしておきましょう。

2009/03/03 Tue

Category: 感染症

感染症とは

感染症とは病原体となる微生物が、動物の体の中に入り込み増殖していく事を感染したといいます。
感染したことによって、体の働きや仕組みにいろいろな障害が起こることを発症したといいます。
ですからこうした微生物によって引き起こされる病気を感染症と呼んでいます。

特に動物から動物に移っていく物を『伝染病』といいます。
移っていかない物は『伝染病』とは言いません。
感染症の病原体となる細菌や、ウィルス、真菌、原虫、マイコプラズマ、リケッチアなどは肉眼では見ることはできず、光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察されます。

感染経路

  • 空気感染・・・咳やくしゃみなどによってばらまかれたウィルスや細菌を、吸い込む事によって感染します。

  • 接触感染・・・既に感染している動物に触ったり舐めたりして感染することです。

  • 母子感染・・・仔犬が母犬のお腹に入っている時に胎盤を通じて感染するものや、生まれてくる時に産道で感染するもの、母乳を飲む事によって感染するものなどの事です。

  • 経口感染・・・ウィルスや、細菌のついてる物を舐めたり食べたりして感染することです。



感染症について詳しいことはこちらのサイトを参照してください。

犬の場合、生死にかかわる感染症の多くは混合ワクチンによって予防できます。可愛い愛犬を感染症で亡くさないために必要不可欠な間隔で抗体ができるように予防注射を打っておくことは大切なことです。

また日本の法律では狂犬病の予防注射は犬を飼う人たちへの義務とされています。獣医さんで毎年定期的に打つワクチンはこの狂犬病の注射と混合ワクチンの二つなので、どちらかだけを打ってあるというのは片手落ちです。

犬の生死にかかわることから考えれば混合ワクチンは必須ですし、狂犬病のワクチンは法規的に接種するべきワクチンであることを知っておきましょう。

2009/03/02 Mon

Category: 犬の救急箱

犬の救急箱

とっさのときに家に犬用に救急箱箱を用意しておくと便利です。
お出かけのときに持っていけるくらいの大きさのものと、おうちに用意しておくものと二通りあると便利です。
我家はめんどくさいのでこれひとつですが持ち運びできるバック等に入れておきます。獣医さんに行った際にもらってきたお薬なんかの保管にも役立ちます。常備薬&救急用品は人のものと兼用のものもあります

MAGIC家の救急箱の中身

  • はさみ

  • 体温計

  • 鉗子

  • 伸縮性包帯&ネット包帯

  • 普通の包帯

  • カット綿

  • コールドパック

  • レスキューシート

  • ペンライト

  • 殺菌ガーゼ

  • ピンセット

  • 毛抜き

  • 手術用ゴム手袋

  • 使い捨てカイロ

  • 定規

  • 綿棒&ベビー用綿棒

  • 大き目の布

  • 風呂敷

  • 精製水

  • 生理食塩水

  • 止血剤

  • 絆創膏

  • 新しいタオル(白)

  • 救急用の口輪

  • スポイト

  • 予備のリード

  • トランスファーファクター

  • 活性炭剤

  • エビオス

  • ホウ酸

  • ビオフェルミン

  • 獣医さんの常備薬

  • オキシドール

  • 消毒薬(マキロン)

  • 目の洗浄液

  • ヨードチンキ

  • 抗生剤入りの軟膏

  • MedicalÅ

  • AromaCreamβ

  • TeaTreeCloveOil

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