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2009/04/20 Mon

手遅れにしないためには

愛犬が病気になって手遅れで助からなかったという話の中には、数多く飼い主がもっと早く気がついていれば助かった場合が多いものだ。症状からくることで判断のつくものや、不調に気がつくのが早く獣医に診療を受ける時期の問題もあるし、見てもらった獣医さんのlevelの問題もあるだろう。
または、飼い主が避けていれば出会わずにすむ事だって多いものだ。

犬がかかる病気の中には、人間と同じく、今の獣医医療なら助けられるものは数多くある。
費用の問題や、難しい心臓の手術や、脳疾患関係の手術等はできる病院とできない病院とが有る。
予後不良なのか、その手術を受けることで回復するのかによって飼い主は判断すればいいのだろう。

難しい病気や、症状があらわれた時には手遅れのものはたくさんあるので、普通に飼っていて、
こういう症状が起きたらまずは病院に行くべきであるという症状を覚えて欲しいと思う。

一番良いのは、犬の病気の本を買いよく熟読することだ。病気には様々な症状がそれぞれ違った形であらわれる。本を買っても熟読していなければ気がつくことが遅くなる。まずは自分で努力しなければならないだろう。後は簡単な方法として、犬に起こる病気はほとんどが人間に起こる病気と同じだと覚えておくといい。

糖尿病や心臓病、いわゆる成人病というものを起こすことが多い犬は人と同じような味のある食べものを食べていることが多いし、これは必要以上の塩分や糖分を取り、運動不足で肥満している犬に多い。人も同じだから・・・栄養の偏りによる病気の発生もある。犬が好むからといって同じものばかり与え続けることは病気にするようなものなのだ。食物によっては、膀胱結石を産む事がよく知られているものもあるし、肉ばかり与えていればリンとのバランスが崩れ、必然的にカルシウム不足を起こし病気になる。
人がジャンクフードばかりで成長する弊害については多く語られているが、犬はどうだろうか?主食がDogフードである以上添加物の多いものはできるだけ控えると良いかもしれない。
おやつも然りだ。添加物だらけのおやつを欲しがるからと与え続けていけば結果は見なくても解ろう。

健康の為にと最近では体重管理をがんばりすぎて知らぬ間にやせすぎにさせていることもある。愛犬の体をよく知り骨格や体の長さや高さなどを総合してその愛犬の標準的な体重を知っていくことだ。
長毛種は毛の多さに実際の体についている肉づきがわかりにくいが極端に言えば骨が浮き出ているほどやせさせてはいけない。つまりもし生えている毛を短毛種のように全て刈ってしまったらどんな風に見えるかを想像すればいいのである。
また本来牧羊犬であるシェルティーの場合一日中動いていても死んだように寝た後はすぐに又パワーが復活しているくらいでなくてはならない。ハードに動いても若い固体なら疲れやすかったりなかなか通常の状態に戻らない場合にはスタミナ切れだと言う事だ。

ぎりぎりに絞った犬の動きは目を見張るようによく動き高く飛べるのでスポーツをして入る多くの人は無駄な肉がないことを自慢に思う傾向がある。でも無理にやせていることと、贅肉がないこととは根本が違うので運動をかけて充分に筋力がついていてパワーもすぐに回復できるようで見た目の状態が美しくなかったらやせすぎだと思ったほうが良いと思う。

長毛種は栄養が体に充分にいきわたらなければコートは最後の最後になってしまう。若い健康な固体で充分な栄養をとっていればコートは短くても光に反射して光るくらい美しい。

毎日犬と接していればいつもと違うことに気がつくのは早いはずだ。犬の体に触れ語りかけ、目の光や皮膚の状態、行動の違い、目で見えるものはたくさんある。
何かがいつもと違うと思ったら早めに獣医に行く事だ。これが一番費用がかからずにすみ、手遅れにしない秘訣だと思う。

気が付くようになる秘訣は犬をよく触ること。これ以外には方法はないと思う。
毎日のブラッシングは毛を梳かすためではなく体の異常を見つける為に行っていると思うのが一番だ。
ソウ思えば毛を梳かすときに皮膚の状態を見ようと思い皮膚が見えるように毛をめくって梳かす。
また背中や足回りだけでなくおなかを見せられるように習慣づけることも可能になるし、どこを触られても大丈夫な仔に自然となっていくのだ。

時期によって自然乾燥では皮膚に問題が残るような時もあるのがやっていくうちに理解できるようになるし、そのためにドライアーを当てられることを習慣付けられるようになるかならないかは飼い主のがんばり次第と言う事だ。間違いを繰り返しながらここは完全にかわかさなといけない部分とか、ここは多少湿っていても問題はないとかやってこそ体験し経験して理解できる。

犬は痛みには人よりもかなり強く、うめき声をあげたり、足がつかなくなったり、ずっと震え続けたりしているとしたら、人だったら失神ものである。彼らの我慢の度合いをよく理解することも、病気のサインの早期発見に役立つ。骨折やひびが入ったりしたらその場所が腫れてくるので速攻獣医さん行きだ。

また、腫瘍などができると寿命の速さを考えれば進行だってずっと早い。犬の腫瘍は内臓等にできたものはよほどじゃないと早期発見が難しいし、内臓疾患は症状が現れてからでは遅いことも多いのでワクチンと一緒に健康診断を兼ねた血液検査は有効なものだと思う。
腎臓や肝臓の病気の早期発見は血液検査で見つけられることが多い。また心臓疾患等も定期的に獣医さんで心音を聞いてもらう機会があれば早期発見に繋がっていくはずである。

家の中に犬が食べてしまうそうなものをやたらに置いたままにしたりしないのは重要なポイントだ。特に飼い主の匂いの着いたものは布製のものなどは飲み込む事が多いから注意が必要である。ストッキングなどを飲む犬はかなり多い。

また食べてはならないものを咥えていたときに飼い主の指示で口から離させるしつけは大変重要である。ほとんどの犬が飼い主に咥えたものを取られまいとして無理やり飲んでしまうからだ。
飲んだものによっては命取りになることもあるし緊急で開腹手術しなくては成らない場合もある。
食べ物であっても『それを頂戴』といったら渡してくれるように教えておくと大きな危険をひとつさけられる。

犬の1日は、人間の1週間だ。
これを忘れずに、飼い主自身が良く病気についてもまた、犬の行動パターンを勉強し、できることなら命に関わることにならないように充分なしつけをしておくことが犬を長生きさせ、良く観察している事が病気になったとしても治る病気なら、手遅れにせずにすむ最大の方法だと思う。