<< 子犬育てに参考になるページ。 | main | シェルティーとフリスビーその2 >>

2009/06/15 Mon

シェルティーとフリスビーその1

我が家では大きいなと感じるシェルティーにフリスビーへの期待が集まります。もともとドッグスポーツと呼ばれる競技を楽しみたいなと思っても、サイズ指定があって、向くものと向かないものとがあるわけです。

sander_2009_0411_4.jpg

シェルティーはサイズオーバーする個体も多く、最近流行りのアジリティー競技ですらサイズによって能力的には無理かなと感じるクラスに振り分けられることもままあります。

ドッグショーはstandardサイズを超えたら論外です(笑)

その中で可愛い我が家の愛犬と何か楽しいことをやってみようと気軽にできるのがフリスビーでした。訓練ほど几帳面に構える必要もなく、その世界にはまりこめばどの競技にも遜色なく、もしかしたら人と犬が融合する究極の競技かもしれないと思う位の深いドッグスポーツです。

見た目にはとっても簡単そうに見えるのですがやり始めてみるとこれがなかなか難しい。何せ犬たちが勝手に理解してできるほど簡単でもなく、飼い主のコントロール下に入っていなければ悲しいかな決めたはずの演技すら不可能なのですから。

なんと言うのか…乗馬に近い感覚って言う感じです。相手がこちらを認めてくれないと乗せてももらえないのがウマです。(乗馬クラブとかでヒトを乗せるのが当たり前の馬ではなく)馬鹿にされたら最悪で、乗れた気になってまたがっていると難なく振り落してくる馬と同じです。

馬は乗れる人と乗れない人とわかりますし、繊細かつ狡猾な生き物だなぁという印象があります。でもヒトや犬と同じく群れ属なわけで相手の気持ちを測る技量も持った生き物だと思います。信頼関係が築ければ最高の友人となります。

。。。話がそれました。

犬とフリスビーをしている時の感覚が乗馬と似てるということを言いたかっただけなのですが(笑)要するにお互いの理解とお互いの尊重が必要なドッグスポーツなわけです。以心伝心といいますか、こちらのミスをカバーしてもらうのはもちろんですし、犬のミスを人がカバーすることも重要です。もちつもたれつの関係をフリスビーを通して経験することができます。

このポイントを気がつかないでフリスビーを一種のドッグスポーツとして犬に教えて遊ぼうと考えているとなかなかうまくいかない物の一つになるだろうと思います。

本題に戻って、大きなシェルティーはこのフリスビーにとても向いていると思います。他に選択肢が少ないこともありますが体が大きいシェルティーはおおよそ非常に穏やかな犬が多く、その上能力も秀でたものがいます。大きさでボーダーコリーにはかなわないものの、走る速さやジャンプ力などはボーダーと見間違うようなものを持つ個体もいたりするのです。もともと牧羊犬ですし。。。

彼らとフリスビーをしたいと考えるなら体の成長を待ちましょう。彼らは大きな分、通常のシェルティーよりも成長している時間が長いのです。極端にいえば1歳半くらいまで体高が伸びる犬もいるくらいです。

つまりハードな練習はこの時期を超えてから十分間に合う、いや超えるまで待ったほうが良いと思うのです。それまでの時間を飼い主との信頼関係を築く時間に当て、ドッグスポーツに必要な簡単なしつけを確実に学ばせることのほうが重要です。

フリスビーのような犬の本能をある部分刺激するドッグスポーツの場合、正しいしつけができる前に欲を引き出してしまうと多くの飼い主には収拾がつかなくなってしまうことが多いからです。競技で成績がつくようになった後に基本に戻ろうとしても犬からの拒否によって多くの飼い主がパフォーマンスが落ちることを恐れ問題の修正がとても難しくなるものです。

欲性の高いシェルティーはとてもよく動くし、とてもよく吠えます。もともと吠えて羊を追うことをよしとして作出された部分も残っていますし、散らばった個体群をまとめようと大きな円を描く習性をもつものなのでコントロール下にいない犬の場合にはこれが止まらなくなるものもいます。

良いDISCDOGは、DISCに欲がある犬に育てずに飼い主と遊ぶことにどん欲な犬に育てるのがポイントです。そのためには普通の犬たちが競技に出るようになる時期にはまだ基本的訓練をする時期です。性能が高ければ高いほどです。
フリスビーをしたいなら犬を仔犬の時期におおらかに接触し、飼い主の行動に期待するものを持つ、静と動のメリハリのしっかりした犬の育てることです。

我が家の場合、おおよそ1歳の段階では犬に関わっている割には(笑)普通のご家庭で育った犬ほどいろんな芸が出来たり、呼び戻しが出来たりする子はまずいません。囲まれた場所以外ではノーリードにすることはまずありません。できないといったほうが適切です。

sander_2009_0411_3.jpg若いときに飼い主との主従関係を正しく認識させないまま、犬自身に「自由に動ける」という学習をさせてしまうと問題はややこしくなり修正に時間がかかります。私は非常にめんどくさがり屋なので、簡単なことから少しづつ覚えてもらい時間をかけてもその時間の分確実にするのが好きです。


我が家なりのしつけはしていきますが、目安として3歳くらいまでには他の人がおもちゃ等を使って犬と遊んでいても興味を持たない、飼い主から出される言葉の意味を理解できるようになるを基本としています。

彼らにとって遊び以外の何物でもない形ゲーム(待て・抱っこ・オーバー・テイク・キャッチ・ラウンド)は幼い時期から取り込みますが、制御を兼ねた形ゲームは7・8か月を超えたあたりから取り入れ始めます。マーキング行動やマウンティング行動が自発的に出てくる時期を使います。

この時期を逃すと思春期に入った犬の行動は大幅に変わるので主従関係の修正も難しくなり、制御を確実にするのに時間が必要となります。

おもちゃ・ものが無くても飼い主とどんなゲームをやろうとも楽しくなっていることが確認できたらロングリードを使い飼い主とのサークルを広げます。
つまり、キャッチ&スローの前段階を外でするのはようやくこの時期にならないとやらないわけです。

キャッチ&スローを教える以前に、まず飼い主からどんなに離れていても見えないリードでつながっていると確認させることのほうが先だからです。我が家では通常ロングリードをつけては遊ばせません。

他に遊んでいる犬を利用して、ロングリードを装着し犬を自由になったと錯覚させて、飼い主から遠く離れても命令が出ることを認識させ、それに必ず従わなければならないことを教えます。
これを確実にしてしまえばノーリードにしても逃亡したり他の犬のもとへ走ったり他人のおもちゃに飛びついて行くことを避けられるからです。

最も犬に教えることに夢中になりすぎて犬の感情を読み取らずに彼らにはつまらなくしてしまっていたら確実な理想とは離れてしまいます。あくまでも飼い主と遊ぶことが一番で、リードがあろうが無かろうが関係なくなっていればよいのです。