<< May 2009 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

2009/05/28 Thu

Category: Quality of Life

紫外線と犬と犬用サングラス。

20年前あたりから紫外線の影響について多く取りざたされるようになったがここ最近は解明されたことも多く、また環境的な変化によってより紫外線の危険について語られるようになっている。

本来日光は生物にとっては非常に有効なものなので、人の場合にはビタミンDの合成を促進してカルシウムの吸収をよくする。つまりおひさまに当たると骨が強くなるのだ。ところが、有効だった日光には有害な光もある。その一つが紫外線だ。紫外線には3種類があるが「紫外線消毒」で使われる光線は今のところ地表には届いていない。オゾン層は破壊されて届くようになったら生物はノックアウトかもしれないが…。

太陽紫外線の3種類のうちUVAとUVBが地表に到達している。UVAが約9割を占めていると言われ生物の存続に有効な紫外線だ。このUVAの10分の1程度に降り注ぐのが問題のUVBである。こちらは浴びると短時間でも軽いやけどのようになってしまう日焼けを起こし、DNAに傷を作ってしまうのだ。

紫外線と聞けば皮膚ガンと直結する情報が第一で、特に人間は皮膚に毛が多く生えなく進化し、洋服を着るという防衛手段を持っている。しかしその素材等によっては日光の光はさえぎれても紫外線を簡単に通すものが多かった。最近はUV遮断率が99.9%という素材も現れている。

さて、犬の場合多くの犬種は皮膚を守るために豊かな被毛を持ち備えているわけだが、紫外線もある程度は防ぐことができる。無毛系の犬種や短毛種では必要となる犬用の洋服も、シェルティーに紫外線防御の洋服は必要かどうかはわからないが・・・。

しかし紫外線の影響をたいして受けないのかと言ったら実はどの犬種も対等に大きな影響を受けるのである。それは犬が人と同じ生き物であり同じような体の構造を伴っているからだ。

実際紫外線でヒトも犬も同様に最も怖いのは目に対する影響だ。紫外線と光は自然界では密接な関係である。ほとんどの生物は光を目で感知する。目から入った光に関する情報は脳に伝達され、脳は「メラニン」を放出し体の防衛を図ろうとする。遠い祖先から受け継いで命をつなげてきたシステムの一つだからだろう。

つまり、体全体を紫外線から守っても、目から光の情報が伝達されれば脳からの指令が起き、体の色素に変化が起こり黒くなってしまうのだ。眼は体の中で一番光の影響を受け、紫外線からのダメージを受ける器官だろう。光は目からしか感知できないものだからだろう。

紫外線から受ける悪影響をいくつかあり、わかりやすい説明のサイトを見つけたので詳しく知りたい方は↓のサイトも参考にしてください。

uvfriend

紫外線は皮膚に影響を起こすばかりでなく、免疫低下も起こすし、白内障の原因ともなる。犬とは言え、紫外線からの害を考える必要がある時代になったのかもしれない。

fanta_sangurasu_1.jpg熱中症に怖さは身にしみているので我が家の犬は真夏に出歩くことはほとんどないし、直射日光に長時間さらされる状況は極端に減らしている。愛する犬種がシェルティーだからこそ長い夏休みが必要なのだ。5月でも30度を超える日が出るようになり10月に入っても真夏日がある昨今。夏休みがどんどん長くなる(笑)

運動不足にならないためにも、日が暮れてからの散歩や完全に日陰になる駐車場での遊び・エアコンの効いた室内でのプロレスごっこのほうが断トツ多いのはそのせいもある。

ちなみに。。。我が家の犬たちは飼い主の勝手な楽しみのために各自サングラスを持っている(笑)真夏の海に繰り出したり、スキー場で1日を過ごすようなことは今ではないけれど、その時期同様の紫外線を受けなければならない状況の時、ちゃんとつけたままでいてくれるならサングラスは効果的だと思ったりもする。

爆走されてどこかにぶっ飛ばされる可能性は大だけれど意外とサングラスをしたまま平気で動く子が多いからいつか大会で装着して出てみようかと思っているのだ(笑)

2009/05/28 Thu

犬の躾を成功させる手順その1

ごくたまに「MAGICさんの犬ではないんですが…」と言って「困っているんです」という相談がある。私のアドバイスでよければと聞きに来る人にはできるだけ丁寧に説明している。

それは一人でもシェルティーの愛好家が増えてほしいからであって、自分の産ませた犬を持ったとか持たないとかは関係はない。せっかくの素晴らしい犬種のはずのシェルティーが他の犬種同様にたまたま教え方がうまくいかずに問題行動が出てしまってなかなか直せないことが、犬種的なものと誤解されてしまいたくないからもある。

どんな性質であろうと、かかわり合い方を変えてやることで多くの犬は何かしらの変化をもたらし、人間にとって都合の良い方向へ向かってくる事実があれど、実行できなければ犬自身の生まれつきのことだと決めつけられてしまうのが悲しい。

どんな犬種にもどんな個体にも生まれ持った性質はあるけれど、そこに問題になりそうなものが見えるのならば、増長せずに水面下に押しやっておけばよいだろう。そして目に見える表現によい部分だけを見せられれば犬は幸せな時間が保てるはずだ。

さてたまたま相談が来たワンちゃんはシェルティーとしてはたぶんよくある現象だと思う。

音に反応して大きな車に対して吠えかかるとか、人が来ると吠えつくとか、黙っていてくれれば問題とは思われないことなんだろうなと思うものだ。今までの相談ごとのほとんどがこのパターン。もちろんうちの仔犬を持った人たちの中にだってこういう犬になっちゃったって言うのもあるくらい多い。

家の中だけでならまだしも外でも動く車に対して飛びついて行こうとするとか走っている人を追いかけていくなんかもまぁ同じような問題行動だ。確かに内容を聞けばやめさせたい気持ちはよく分かる。

でも、まず最初に知っておかなければならないことは問題だと思われる行動をやめさせられないことが重要なのではなく、日々の暮らしの中で飼い主の言うことをどんな場面でも聞いているかどうかを確認し、聞いていないことを受け入れることが必要なのだ。

要するにこういう問題行動とされるものを犬が起こしているときに飼い主はひたすら「通じない禁止言葉」を連呼しているだけにとどまっていて、毎回その時が過ぎているだけで行動を止めていないことに気がついていない。
もとより・・・「連呼した禁止言葉」があくまでも飼い主が禁止しているつもりなだけで、犬には一向に伝わっていないというのが本当だろう。なかには一瞬は止まるのですがって言うのも結構ある(笑)

犬に伝わっていなければ何をやっても無駄だということを知ろう。

ヒトは犬が一瞬でも行動を止めると「言葉を理解している」と錯覚を起こすのかもしれない。でもこの場合犬が吠えるのを一瞬止めたとしても、すぐまた吠えてしまうのは言葉を理解していて禁止されたことがわかったからではなく、吠えている途中に気になる音や動きがあったために自発的に犬自身がやりたいことを止めたにすぎない。

ゆえに飼い主が禁止言葉を連呼しなかなか犬の行動を止められないという現象について、犬からの答えは「意味がわかりません」もしくは「聞く耳なし」「自分へのアプローチだとは思わない」というものなわけだ。だから、毎回同じことを繰り返しているにもかかわらず行動は一向に改善しないままとなる。

この事実を飼い主が受け入れないとパターンはいつまでも繰り返されるわけだ。

犬からの答えを聞くのが一番大切と話す背景は、事実を受け入れないと先に進めないからである。

犬からの答えが「飼い主の言っていることの意味が理解できません」というものであるのなら何をするのが最短の早道になるか考えてみよう。

日ごろの生活パターンはいつもどおりでいいから、ひとつだけ犬に対して、「これだけは守ってもらいますよ」という規約を作る。一番簡単なものは「シーザーミラン」も応用しているお散歩での付き合いのルールだと思う。誰しも毎日お散歩に行くことが当たり前だと思っているだろうから、一番使いやすい方法なので。。。

犬を外に連れ出すとき、人の横について歩かせるということを基本に考える。でも横につかせるといっても今までが今までなだけにそう簡単に事が運ぶはずもないだろう。だから、犬を横につかせるのではなく、「飼い主の前に出さない」を徹底すればよい。

最初は言葉をかけようがおやつで釣ろうがおもちゃを見せようが飼い主がやりやすいものを使って大いに結構なのだが、重要なことは「歩かせなくてはならない」という意味ではないことを知っておくとよい。

「飼い主の前に出さない」ということは「歩かなくてはならない」を含まない。

つまり犬がどうしても前に出てしまうのであれば飼い主自身は歩くのをやめて立ち止まらなくてはならない。もしくは犬の動きを無視して逆方向へあるくということでもよい。私は犬に対して「そっちにはいかないよ」と声をかけてあげ、即座に踵を返すという方法を使っている。

最初こそ、急に立ち止まることで犬は「ぐえ!」っとなることもあるが犬は自分が苦しいことは嫌だし、言葉をかけられればたいていそちらに気が動くので何回かの繰り返しの中で飼い主の意図を理解し始める。その上に飼い主から発せられる言葉を聞いていないと変なことが起きると理解してくれるのだ。

どんなことを犬に理解させるにしても、ほとんどの場合行動と同時に言葉かけのタイミングが重要になる。言葉をかけて行動を起こす、または言葉をかけながら行動するの、どちらかでなければならない。

ここで多くの人がしくじる原因は行動を起こしてから言葉をかけていると言う凡ミスがほとんどである。ごく稀に犬がパニクってしまい行動も精神状態も正常でないままの場合もあるのでこの時に限り何をやっても意味はない。一度冷静に落ち着かせてからでないとことは始められないのだから。

言葉をかけてから行動を伴わせる、もしくは言葉をかけながら行動を伴わせるのどちらかのタイミングが合うようになれば犬は即座に反応するようになる。つまり飼い主の横についていつ飼い主から言葉がかかるかを気にしつつ前を向いて歩くようになるのだ。

肝心なことはこのパターンができるようになっても犬の期待にこたえるためにも、よく行動できていると感じたら必ず「肯定」の言葉かけをすることが望ましい。教え始めのときは歩き続ける中言葉もずっとかけ続けたほうが効果は絶大だが、散歩しながら犬にずっと声をかけ続けることは不可能に違いないので徐々に言葉かけは少なくしていけばいい。でも…全く褒めなくなってしまうことは犬からの期待にこたえていないのだと覚えておくべきだと思う。

まず一つ目はここがスタートだ。このスタートに使うものはどんな行動でも構わないが、大人になった犬に「人間から出される言葉の意味」を理解させるために必要な条件は「確実に・ひとつづつ・行動と言葉を一致させる」を犬に覚えなおしてもらうということに尽きる。

問題行動は犬が飼い主の要求がなんであるかを理解し、その要求に従おうという気持ちがなければ直らない。直せないというよりも治らないといったほうが正しいだろう。

飼い主は問題行動が起きた途端にその問題行動自体をやめさせようと躍起になるが、基本を理解させなければ何をやったところでその場限りにしかでき上がらずいつしか元に戻ってしまうのだ。即効性のあるものなど犬のしつけには存在しない。それは犬が人と同じ生き物であることを受け止めればわかるはずだ。

犬のしつけは人間の子供の教育と全く同じである。人の子供の教育には即効性のあるものはない。毎日毎日繰り返される子供自身が自然に受け入れられるものから学んでいて、ひとつづつ積み上げていく積木と同じだ。

積み上げる積木をただ置いただけならちょっとした衝撃でたやすく崩れてしまうだろう。でも設計図を作り、土台を固めながらひとつづつ積み上げるごとにボンドで固めていったら最後に大きな城が完成する。
出来上がるまでの労力はたんに積み上げるだけに比べたら多くの時間を伴い忍耐も必要だと思う。でも何回も崩してまた積み上げてを繰り返すくらいならゆっくりじっくりひとつづつ完成させていったほうが逆に楽だと考えてた私流の教え方だ。

手間暇がかかるけれど、この労力を惜しまなかったとき1歳よりは2歳、2歳よりは3歳というように時間の経過とともに大きな結果が返ってくる。犬の寿命は人間の5分の1から7分の1に等しい。ヒトの子供を教育して育てる時間よりもずっと短い時間しかないわけだ。でも彼らは人の子供のように大人になって親が必要なくなることはない生き物だ。体は大人になっていても、老化現象が起きるほどの年齢にまでなっていなければ修復はいくらでもできる。

どんな犬でもひとつづつ確実に理解させていくことを怠らなければ良い家庭犬にできるのだから、まずは問題行動自体を直そうと躍起にならずに怠っていた基本的な第一歩を確実にクリアすることから始めるのが犬の「しつけ」を成功させる最短の早道だ。

次は「人の前に出なくなった・ひとの横をついて歩ける」の第一段階の後へ続く。。。
1/1